受け取る3~コントロールを手放す~ | 恋と仕事の心理学@カウンセリングサービス

受け取る3~コントロールを手放す~

恋と仕事の心理学@カウンセリングサービス-山田耕治

こんにちは。晴れカウンセリングサービスの山田耕治(やまだこうじ) です。
毎週水曜日の「キャリアアップ」を、みずがきひろみ カウンセラーとともに担当しています。


前回は受け取るには「受け取ることを意識する」ことが大事ということをお伝えしました。


今回は受け取ることの邪魔になる「コントロール」ということを取り上げたいと思います。

自分の思い通りになるように要求すること。そんな行動を心理学的にコントロールとよんでいます。私たち誰もが持っている心のパターンです。


実際は、コントロールするというよりも、コントロールされたという感覚を強くもっているかもしれませんね。自分がコントロールされるのがいやだということはわかっていると思います。うれしい人はいないですよね。コントロールされたと感じた時、相手への怒りや憎しみや、自分への情けなさを感じてしまうのではないでしょうか。


コントロールされるといやなので、された方はコントロールしようとする相手から無意識に距離をとることになると思います。その距離を取り戻そうと、次のコントロールが始まるのです。コントロールの連鎖です。キャリアアップの目指す、「与える⇔受け取る」の好循環ではなく、悪循環になってしまいます。


私のキャリアを振り返った時、受け取るということを知らなかった頃の話ですが、自分自身も、周りもコントロールして変えよう、変えようとしていたような気がします。私の場合は、与えて、与えて、与え続けて、当然もらえるはずだ、言い換えると奪おうとしている状態だったような気がします。実に巧妙なコントロールをしていたような気がします。


今を受け取ることができてなかったんだなと思います。今の自分は弱く、もらえるはずはない。ダメな価値のない自分と思い込み、何かをしなければ、何かをすればもらえるはずだと思っていたと思います。今を受け取るのでなく、今から、逃げまくっていたような気がするのです。そこにコントロールがあったと思います。それではうまくいくはずはありません。


まず今をまず受け取ること。今の状況をしっかり受け取り、ポジティブな感情も、ネガティブな感情もしっかり感じ、逃げないこと。まずは受け取ることなのです。それが、与える⇔受け取るの循環になっていき、キャリアアップにつながると考えています。


受け取るには「コントロールを手放す」ことがポイントです。コントロールする、される、いずれにしても、受け取れません。コントールを手放すことで、受け取ることが意識できるのです。


もう一度、受け取るイメージを思い出してみましょう。


穏やかな海、勇気を出して、海の上に大の字になる。波に身を任せる。太陽の暖かい光、青い空、白い雲、今の自分に与えられたものを感じ、受け取り、感謝する。晴れくもり虹


勇気をだして、波に身を任せる。まさにこれがコントロールを手放した状態です。そして受け取ることを意識する。今、与えられているものを感じて、感謝する。今、与えられているものを深く理解して、向き合っていく。


泳がなければ沈んでしまうと、手足をバタバタ動かせている、これは自分をコントロールしようとする状態です。感じるどころではありません。受け取るどころではありません。


それから、波や太陽や風や空、それらももちろんコントロールできません。これは誰も自分がコントロールできないことを意味しています。


受け取るイメージは、誰もコントロールしない、誰からもコントロールされない状態です。そこには自由があるのです。それぞれに選択の自由があるのです。自分で選択肢の価値を見出し、選択することができるのです。


実社会で考えてみましょう。まずビジネスの場面でのコントロールってどんなものが浮かんでくるでしょうか。


まず、権威によるコントロール。上司の立場を使って、「命令は絶対だ」というコントロールです。それから先生や資格も権威ですよね。そのほか、「私は顧客よ」という、顧客の立場というのもそうです。

それから正当化によるコントロール。正しさを主張することで、相手を思い通りに動かそうとすることです。「こちらの言っていることが正しい、君が間違っている」とか、「こっちは一生懸命やっているのに、君はやってないじゃないか」というのもその一つです。


具体的に事例で考えてみましょう。


上司から、部下に急に明日までの資料の作成を頼んだとします。


まず部下について考えてみましょう。「はい、やります。」と返事はしたものの、不安だし、不機嫌になってしまいます。もちろん、仕事ですから、やりたくないからやらないというわけにはいきません。でも部下はそれを絶対的な命令だと考えてしまいます。上司にコントロール、つまり権威によるコントロールです。


本当はやりたくないけど、命令だから仕方がないという気持ちで取り組んだらどうでしょうか。それは、決していい状態ではないし、資料だってそれなりのものしかできないと思います。どうせやるのであれば、前向きに取り組み、結果をだした方がいいですよね。


この場合の「コントロールを手放す」とはこんな感じです。

自分にはこの仕事をやることもできれば、断ることだってできる。選択は自分ができる。やりたくないという選択肢とやりたいという選択肢がある。それを自分で選択する。それぞれに価値を自分で見出して、自分で選択できると思うことなのです。


次に上司の場合を考えてみましょう。その指示が絶対の命令になるとコントロールです。絶対の命令でないとやってもらえないのではないかと思うと、その分、コントロールが強くなりますよね。また「君のためだから」とかと押しつけていくやり方も、コントロールですよね。


やらない選択肢を与えることがコントロールを手放すことです。部下の義務ではなく、成長へのチャンスであると捉えられるようにしっかり説明することも必要なのだと思います。確かに自由に選択させることは、いやな仕事は誰もやらないのですから、危険かもしれません。しかし、部下が自分で考え、やりたいと積極的に取り組むことができる環境を提供することが大切だと思います。


イメージで言うとまず上司である自分が一歩前にでる感覚です。まず与えるということでしょうか。与えると受け取りやすいというのはこのようなことをいうのかもしれません。またとにかく、どうしても助けてほしい時もあるでしょう。それを助けてほしいとお願いするのも、困った自分をまずさらけ出すことで、一歩前にでることになると思います。「コントロールを手放す」ことはある意味与えることなんだということがわかってきます。


「コントロールを手放す」、ということは双方が勝つというWIN-WINを考えた全体的な、継続的なマネジメントの一環と言えそうです。コントロールと言うのは部分的な、その場限りのニーズのぶつけ合いとでもいいましょうか。


「コントロールを手放す」ということで「選択の自由」が生まれます。お互いの自分のプロセスになるという「自分や相手に対する信頼や信念」があってできることなのだと思います「人への信頼」です。そして、選択したら、「コミットメントする」ということになります。


今日の話をまとめると、受け取ることを意識するには
1.コントロールを手放す 2.信頼 3.コミットメント がポイントであるということになります。


最後にもう一度、受け取るイメージしてみて下さい。確認してみましょう。


バタバタしない。波に任せる。勇気を出して、コントロールを手放す。
沈まない自分、ちゃんと浮くと思う。勇気を出して、自分を信頼する。
やるぞと決意する。腹を括る。勇気を出して、コミットする。


コントロールを手放し、自分を信じて、コミットすることが与えられた今を受け取ることになっていきます。それが私たちをキャリアアップさせてくれます。このことを学び、私自身の行動も変わったと思います。受け取ることの大事さ、受け取ってもらえましたでしょうか。


私が心理カウンセラーとして目指していることは「ハートドキドキを強くする」カウンセリングです。実社会へしっかり繋いでいくことのできるカウンセリングを提供したいと常日頃から考えています。よかったら、いっしょに受け取ることについてチャレンジしてみませんか。ご連絡お待ちしております。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

次回は受け取る4~信頼~ということで考えてみたいと思います。お楽しみに。
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