本日、初めてこのブログをご覧になった方は、違和感を覚えるかもしれません。

「あなたは何者!?

偉そうに、地域と地域の結びつける作法をいうのか!?」

本題に入る前に、上記の質問について答えてみます。

私は約20年間、通訳として、様々な日中間の地域間交流に関わってきました。そのうち1回、日米の姉妹都市交流(札幌市とポートランド市)の少年野球交流に、ピンチヒッターの通訳ボランティアとして参加したこともあります。

私が地域間交流を大事にする理由は、国際交流の現場を体験しているからです。

ブログで書いたものは、あくまで私の現場体験に基づいています。

さて、本日のサブタイトルの「ナラティヴ・アプローチ」とは何か?

初めて聞いた方もいるかもしれません。社会学者の野口裕二氏によれば、

ナラティヴ・アプローチとは、ナラティヴ(語り、物語)という概念を手がかりにしてなんらのかの現象に迫る方法です。

野口の研究を援用して、「ナラティヴ・アプローチ」という方法を、 地域間交流という現象に着目して考えています。

この1週間、いろいろな視点で地域と地域との交流に着目してきました。

文化人類学者の小田博志氏は、和解の観点から、他者との関係を結び直すことにナラティヴ・アプローチの有効性を紹介し、ナラティヴ・アプローチは、リレーション・アプローチでもあると論じました。

ナラティヴ・アプローチは、新しい研究方法で、和解や平和、組織経営、社会福祉領域など幅広い研究に応用しています。

この間、紹介したカーリングの交流及び米(稲作)を通して、日中間の交流を促進した原正市さんと藤原長作さんが、日中両国で語り継がれていることなどは、平和研究の観点であり、ナラティヴ・アプローチを用いています。

ナラティヴ・アプローチは奥深く、魅力的です。皆さんもこの方法を応用して、地域探検を始めてみませんか?

 

参考文献

野口裕二編著『ナラティヴ・アプローチ』勁草書房、2009年。

小田博志「エスノグラフィーとナラティヴ」野口裕二編著『ナラティヴ・アプローチ』勁草書房、2009年、27-52頁。