１．組織の未来にモヤモヤしているリーダー・経営者へ
「言われたことをやる」時代は終わったと言われます。
今後、社員の自発的な行動や能力開発を具体的にどう後押しすればいいのか、
その仕組みやリーダーの具体的な振る舞いがわからなくて困っている人多いようです。
今日は、「組織や人を『コスト』として見てない？
『戦略を達成するための道具』として、人に指示を出すだけのリーダーになってない？
もし、最も優秀な部下が、魅力を引き出してもらえないことに不満を感じて、
明日辞めたら、組織の未来は大丈夫？」
と言う疑問を解くための記事を書きました。
明日から、あなた自身が変わるだけで、組織はぐ～んと変わる。
そんなヒントになれば嬉しいです。
２．組織の目的を正確に理解する
人的資本主義における組織の目的は、「人の価値を最大限に高め、それを企業価値向上につなげること」
です。
オールドな考えである「戦略達成を最優先する」目的のままなら、
すぐにバージョンアップして、組織の目的を正確に理解しましょう。
これに伴って、リーダーの役割も変わります。
リーダーは、「指示・管理」から
「エンパワメントと成長のプラットフォーム提供」に大転換していることを知りましょう。
３．新しいリーダーシップ３つの柱
組織は、社員の「個を描く（主体的なキャリア形成）」、
「個を磨く（スキル獲得）」、
「個が輝く（価値発揮）」をサポートする“プラットフォーム”にならなければなりません。
この変化を牽引する新しいリーダーシップには、次の３つの柱を重要視しましょう。
１．【ビジョンの共有と共感】
戦略だけでなく、「なぜこの会社で働くことが個人の成長につながるのか」
というストーリーを熱く語ること。
２．【心理的安全性の確保】
失敗を恐れず、新しい挑戦ができる「安心感」と「信頼関係」を作ること。
３．【能力開発の投資家になる】
社員の能力をコストではなく未来の先取りと考え、時間もお金も積極的に投資すること。
４．具体的なリーダーの振る舞いとは？
例えばね、具体的なリーダーの振る舞いは以下の通りです。
昔のリーダー（コスト視点）
「〇〇さんの得意な仕事だから、これを今日中にやってね。」（戦略達成のための指示）
新しいリーダー（資本視点）
「〇〇さん、あなたの〇〇分野でのユニークな視点を活かして、
この新規プロジェクトの課題解決に取り組んでみない？
ちょっと難しい挑戦だけど、あなたの成長の機会になると信じてほしいの。
成功しなくても、そこで得た知見は会社にとって大きな財産になるから、
思いっきりやってみて。」（能力と魅力を引き出すエンパワメント）
この新しいリーダーシップで社員が能力を最大限に発揮できるようになると、
新しいことが起きるように思うのです。
社員は「自分は信頼されている、価値ある存在だ」と感じるから、
職務記述書にない自発的な行動を取り始めます。
「同僚が困っているから助ける」とか「会議の雰囲気を和ませる」みたいな
“見えない貢献”（組織市民行動）をし始めるわけです。
だからこそ、新しいリーダーは、この見えない貢献もちゃんと見て、
ちゃんと評価しなきゃダメなんだということを理解します。
これが、組織全体の協調性と、社員のエンゲージメントを高めるための、
資本視点をもったリーダーシップの核心になるということです。
５．今日お伝えしたいこと
人的資本主義における組織の目的は、「人の価値を最大限に高め、それを企業価値向上につなげること」です。
そして、リーダーの役割は、「指示・管理」から
「エンパワメントと成長のプラットフォーム提供」に大転換する。
この意識改革こそが、企業が中長期的に生き残るための唯一の道になるということです。
組織は、一朝一夕に変化することはないかもしれません。
ただ、そこに挑戦する意欲を持つだけでも、
部下の意識に働きかけることができると思っています。
世界でいちばん美しい言葉
「ありがとう」と共に、今日もお元気にお過ごしくださいね。