【兵庫県内の不登校・ひきこもりの訪問支援】
Office Sabbyです。
昨日、兵庫ひきこもり相談支援センター播磨ブランチでひきこもり親の会がありました。
今回は7名の方が参加してくださいました。
話の流れでテーマになったのが
「選択肢と決断について(勝手にそういうふうに名付けました)」。
ある親御さんが、子どもが高校を中退してしまい、「高認をとりたい」と言ったときに
良かれと思って高認の他にも通信制高校やフリースクールに行く方法もあるよ
と言ったことがきっかけで
子どもが動かなくなってしまった、という話をされました。
他の親御さんも、
本人のことを思って、ああしたらどう?とかこうしたらどう?とか
いろいろアドバイスをしたけれど
結局本人が何をやってもうまくいかなかったら親のせいにする
だからアドバイスするのもできない、と言われていました。
また、逆のパターンもありました。
本人が、学校の卒業と同時に何かしないといけないと思っているけれど
何をしていいのかわからない、と言う。
それならばと母親が播磨ブランチに本人も連れて相談に来たところ、
その場で本人と母親とブランチの相談員の3人で、
スマホでアルバイト募集のページを検索して、
できそうなバイトをいくつか探して、そのうちの一つに申し込むところまで一気にやって、
バイトの面接を受けることになった。で、後日面接に行ったら採用された。
とりあえず実際に働いてみると、いろいろ不満な点はあるけれど、
今までいくつかバイトをしてもぜんぜん続かなかったのに、1か月続けることができて
そこの店長さんからゆくゆくはバイトリーダーになってほしいと言われるまでになった。
はじめのケースは本人にいくつか選択肢を提示したケースで
バイトのケースは相談しながら選択肢を減らし、行き先を絞り込んだケース。
うまくいったのは明らかにバイトのケースです(現時点では、ということですが)。
良かれと思って選択肢をいろいろ提示したことが実際には良くなかった。
一方、選択肢を減らすのは良くないようでいて、今回はうまくいった。
それはなぜか。私はこう思います。
ひきこもる人は多くが不器用です。生き方が。
器用に世の中を渡っていく人はあまりひきこもりにはならない。
何をしてもあなたの自由よ、というのは選ぶのが大変です。
それができるのは器用な人です。自分に自信がある人です。
自分が出した結論に、これでええねん、と思える人は選べるでしょうが、
基本的にひきこもりの人は自分に自信がありません。
そんな人に、何をしても良いんだよ、と言っても本人にとって幸せでしょうか。
困るほうが大きいような気がします。
例えば・・・
どこにも行きたくない、家にいたい、という人に、お金と地図を渡して
「あなたはどこかに行かなければいけません。もうこれ以上居られません。
だから好きなところに自由に行きなさい」
と言われてもその人は困るでしょう。私ならめっちゃ困ります。
好きなところやったらここが良い。
だってどこにも行きたくないんだから。ここにいたいんだから。
すごく理に適った考えです。
それよりも
「あなたはどこかに行かなければいけません。もうこれ以上居られません。
でも行きたいところがないのであれば、
ここに行ったらどうですか?」
と言われた方がどこかには行きやすいと思うんです。
えぇ~~!?マジでぇ~~!?そんなん言われてもなぁ。
とは思います。最初は文句も言います。
でも、居られへんのやったらしゃあないわなぁ、
ほなとりあえず言われたところに行ってみようかな、と諦めます。
少なくとも私はそれが良い。
それと同じことだと思います。
バイトのケースで言うと、みんなで相談しながら行先を決めたような感じ。
どこ行きたい?暖かいところが良い?海が近いのはどう?
とか言いながら行き先(バイト先)を決めました。
だから本人も納得して行っているようです。
親御さんとしては、本人のしたいようにさせてあげたい、と思うのは当然です。
でもしたいことがなかったらどうするの?自分に自信がないのに決められる?
したいことがない人にしたいことを聞くのははっきり言って無駄です。
だったら何ができるのかを考えた方が良い。
何ができないか。何がしたくないか。何が我慢できないか。
それを明らかにしたうえで、じゃあできることを考えましょう、となる。
そうすると本人も納得しやすい。
それともう一つ。
だいたいの場合、選択肢をいろいろ提示する親御さんは、
子どもの決断に対して余計な一言を付け加えることが多い。
「ほんまにそれでええの?もう一回考え直したら?」とかなんとか。
せっかく本人が一生懸命考えて出した結論を素直に受け入れない。
そこに親の意思を加えようとする。
で、親の思いを汲んで決めてくれたら、今度は何も言わない。
逆に「あなたの決めたことだからね」と言う。
親の立場からすると本人の意思を尊重しているようでいて
実際には子どもからすると親から押し付けられたと感じます。
それでやってみて失敗したら「親のせいだ」と親を恨みます。
親からすると、あなたが決めたことなのに親のせいにするなんておかしい、となります。
子どもは親のせいにするし、親は子どものせいにする。
困ったもんですね。
みなさんもそういうコミュニケーションになってませんか?
気を付けましょうね~~。
ということをお話してきました。
うなだれている親御さんもいらっしゃいましたが、遅くはないので(早くもないけど)、
しっかり修正してください。
親の会は2時間で終了。
その後もお母さん方は30分ほどおしゃべりされていました。
愚痴の言い合いをしていただいて良かったなあと思います。
さて次回の親の会は
5/19 13:00~15:00
連絡先(兵庫ひきこもり相談支援センター播磨ブランチ)は
079-240-6299
です。
毎回流れに任せて話す内容がころころ変わりますので
次回はどんな話になるかわかりませんが
そこもまた面白いところと割り切っていただけたらありがたいです。
今週はぼちぼち忙しくなる感じ。でも本格始動は5月ぐらいからかな。
Office Sabbyもよろしくお願いします。
Office Sabby代表
貞本範之