勘と経験と数字の体験②:勘の危うさを知る有名な問題 | 面白くて役に立つ。会社数字のポイント! -愛知県豊田市の大澤税理士事務所-

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今回は、勘の危うさを知る有名な問題を出します。

 

問題自体はとっても簡単です。

 
 
ここにA~Eの5個の箱があります。
 
この中に1個だけ、あたり(1億円のダイヤ)が入っています。
 
5個の箱の中から、あたりが入っていそうな箱を1個選んでください。
 
 
 
ここでは、仮に、皆さんが選んだ箱は「Aの箱」だとします。
 
※A以外を選んだ人、例えばCを選んだ人は、
  AとCの箱のラベルを付け替えたと思ってください。
 
つまり、現状はこんな感じです。
 
 
 
 
A~Eの、どこかに1個だけあたりがあるのですが、
 
どこにあたりがあるかを私は知っています
 
そこで、選ばれなかった箱の中から、私がハズレの箱を
 
3つ捨ててしまいます。
 
今回の例で言えば、B、C、D、Eから3つ箱を捨てます。
 
例えば、CとDとEの箱がはずれだと私が知っているので
 
CとDとEの箱を捨てます。
 
※Bを残しましたが、Bがあたりの箱とは限りません。
  Aがあたりの場合、B~Eは4つともはずれですが
  4つのはずれのうち、はずれのBを残しています。
 
 
 
この結果、AとBの箱が残りました。
 
AとBのどちらかの箱にあたりが入っています。
 
私は、もちろんAとBのどちらがあたりかを知っています。
 
 
 
ここで、私はこういいます。
 
あなたにもう一度、選ぶチャンスを上げましょう。
 
AとBの箱から、選びなおしてよいですよ?
 
あなたなら選びなおしますか?そのままですか?
 
 
 
さて、ここで考えてほしいのは次の3択です。
 
① Aを選んだほうが当たる確率が高い
 
② Bを選んだほうが当たる確率が高い
 
③ どちらを選んでも確率は変わらない
 
 
問題の意味がちょっと分からないよという場合は
 
下に答えがあるので、できれば読まずに
 
もう一度、戻って読んでみてください。
 
※わかりにくいところをコメントでいただけると嬉しいです。
 
 
 
 
 
 
さて、答えです。
 
 
 
 
答えは②のBを選んだほうが確率が高いです。
 
Bが当たる確率はAの4倍です。
 
どうでしょう、当たりましたか?
 
やみくもに当たったのではなく、
 
ちゃんと根拠があってあたりましたか?
 
 
 
選択前に、もし根拠があって、
 
Bのほうが確率4倍とわかっていたら
 
どちらをえらぶでしょうか?
 
もちろんBですよね。
 
経営でも、同じです。
 
そういった根拠があれば、いらぬ失敗をすることもなく
 
より効果的な判断ができるようになります。
 
実際、勘だけで経営を判断すると同じ事が多々おきます。
 
そのため、本当に怖いということです。
 
 
 
 
 
さて、この問題はモンティ・ホール問題と呼ばれており、
 
当時、著名な数学者も誤ったようでかなり議論があったようです。
 
勘だけで色々なことを判断することの
 
危険性がよくわかる題材だなぁと思っています。
 
数学的に証明することはできるのですが、
 
なかなか理解しづらいので、
 
伝え方を変えてみます。
 
 
 
先に出した問題の形を少し変えます。
 
5個の箱があり、そこから1個選んでもらうところまでは同じです。
 
 
つまりここまでは同じです。
 
ここから先の順番を変えます。
 
B~Eを潰さずに、
 
AとB~Eの4個のどちらかを選ぶことができます。
 
Aのまま、と、B~Eの4個のどちらを選びますか?
 
まぁ、この場合、確率4倍なので、B~Eを選びますよね。
 
そうするとこうなります。
 
 
 
さて、お手元にある箱には、絶対にはずれが3個入っています。
 
でも、Aを選ぶより、確実に当たりやすいことはわかりますよね。
 
先ほどの問題は、この後、手元のはずれを私が3つ捨てただけです。
 
先に捨てるか、後に捨てるかの違いです。
 
このような順序で考えると、最初に選ばれなかったほう(B~Eの4つ)
 
を選んだほうがよさそうだというコトがわかると思います。
 
 
 
さて、これでも経営は勘だけでやったほうが良いでしょうか?