blogを書けと言われたので今回は「多弦ギター」の話です。

 多弦ギター。
 えーっと、普通の(?)ギターは弦が6本です。
 対する多弦ギターは7本以上になります。
 世の中には9やら10やらいろいろ多弦ギターが、必要とされて存在しているわけです。
 多弦ギターはヘヴィミュージックに使うと多くの方がイメージされるかも知れません。が、クラシックでも8弦とか使います。元々クラシックギターは小さなオーケストラとして表現されることもありますから、弦が多くなる=参加楽器が増えたと言っても過言ではないでしょう。
 このように弦が増えることは、演奏表現の枷を外すことに繋がります。
 それもあって、エレクトリックギター業界でも多弦を演奏するギタリストが増えました。それぞれが個性的な使い方をしているのがとっても楽しい。

 とは言え、多弦ギターってデメリットがあるんですよ。

1 6弦に慣れた人には弾きづらい
  → ネック幅が広い上に、弦が多くなった分混乱する。

2 構造上、6弦よりも調整や部品調達が難しくなる
  → 6弦の調整セオリー外の部分があったり、交換部品が少なかったりする。

3 6弦の感覚で弾くと音があまり良くないことがある
  → 弦の弾き方や押さえ方を6弦的に行うと、微妙なことが。低音弦側に顕著。

4 アンプやエフェクター側のセッティングに苦労する  

  → 6弦と同じセッティングだと多弦の良さが出ないことがある。

 などなど。
 デメリット、意外と多いな……。
 あと多弦で出来ることは、6弦でもやれないことはないんですよね。もの凄く低い音も、チューニングダウンしたらいけることもありますし。
 でも、同じくらいメリットもあります。

1 多くなった弦にいろいろなチューニングを割り振れる
  → 工夫次第で面白いチューニング構成に出来る

2 いろいろな奏法が可能に
  → 6弦では再現が難しい奏法をやれる(こともある)。

3 多弦独特のサウンドになる
  → ネックが長いせいか、響きに張りがあるなど、独特になる。

4 ヘヴィサウンドから綺麗めのサウンドまで1本のままリアルタイムでカバー可能
  → ハードコアヘヴィな音を出しつつ、高音弦側で美しいメロディも行けちゃう。

 って感じでしょうか?
 個人的に、多弦ギターは6弦ギターとは別の楽器だ、と判断しています。
 6弦と同じ感覚で向き合うとかなり混乱しますからねぇ。渋谷の楽器店で初めて8弦ギターを弾かせて貰ったとき、「どないせぇゆうね」って思いましたし。
 が、完全に頭を〈別の楽器〉に切り替えた途端、サクッとしっくり来ますのよ。これが。6弦から弦が増えた、ではなく、最初からこの弦の数の楽器である、と認識した方が何かと理解しやすいんじゃないかなぁ。
 いやまて。多弦でも7弦は「6弦+1本」の感覚だった気がします。
 仙台市(!)の楽器店で試し弾きしてみたら、そうでしたもん。それくらい6弦と地続きのギターが7弦ギターです。
 だから、多弦ギターが弾きたい! ならば8弦以上を狙うべし、と申し添えておきます。

 

 ※クソッ! ナット幅広くて指が届かねぇぜ! ってくらい広い指板。

   でも手が小さく、指の短い私でもセーハで8本押さえられるくらいではある。

   埃は目を瞑ってくれたまえ。あ。ペグはロック式なのよ。おほほほ。

 

 ※6弦と違う部品だらけでひくわー。ではなく。

  ピックアップ(弦の音を拾うマイク)はEMGの808……だったかしら?

  電池で動くアクティブピックアップでございます。でもパッシブの方が好き。

  サブ8弦なのでアクティブでもよいのです。あ。キルスイッチもついてるよ!

  しかし微妙にオサレな写真になった気がする。

 

 ※24フレットの指板にインレイ(目印)はなし。

  伝え聞くところによると 「多弦は弦のテンションが強いから、剛性が落ちるインレイは入れないのだ」とかなんとか。そんで「インレイないと弾けない!」って多弦を諦めるギタリストが増える事件も勃発しております。

  でも、インレイなくても弾けるよーな。目印は別にあるし。

  っていうかー、インレイをそんなに見ない癖がついてるっぽい。何故?


 正直に申しますと、8弦を弾き倒しますのは、大変テンションが上がります。
 ヘンテコなコードフォームでもよい響きを得られたり、ストラミングしてもキレのある音になってくれたりしますし。何故か、ロックンロールやファンクを弾きだしても良い感じ。クリーンサウンドで弾くのも大好きです。多弦はヘヴィサウンド、ジェントとかで使う! って決めつけなくてもよいですもんね。
 ……正味の話、8弦ギターで立って弾いた方が弾きやすい事も多いです。
 6弦で弾きづらいフレーズが8弦だと「お?」ってくらい楽。どういう仕組みでそうなっているかは謎。……ド下手くその言っていることだから信じられるか!

 どっちにしろ、多弦ギターはこれからもっと注目されると思われます。
 要チェックだっ!