「牛首村」の小説版は、前2作よりページ数が多くなりました。

 それは何故か?

 ……書いた私にもわかりません。気がつくと増えていました。

 




 そういえば竹書房様の紹介文だと「保坂大輔と清水崇の脚本をもとに」とあります。
 両氏の脚本もですが、もちろん、映画(映像)もきちんと取り入れています。加えて、取材した各素材や資料、自身の体験などもイメージソースにしたり、アイデア元にしたりもしておりますので、この辺りは少々複雑に絡み合っている、と言っても過言ではありません。
 しかし、本当に今でも夢のようです。清水崇監督の作品を小説化できるなんて。
 各関係者の皆様に感謝しかありません。
 もちろん、読んで下さる諸兄姉がいらっしゃるからこそです。
 皆様、本当にありがとうございます。

 さて、小説版について、と銘打ちましたが、ネタバレしないように書くのは実に難しいですね。
 ネタバレにならない程度で、小説版のPRになるような事柄といえば……。
 そうですね。
 例えば「登場人物は当て書き(演じる役者を決めてから書くこと。この場合は、役者をイメージして描写することなど)を若干しつつも、大半は違う方法をとった」のです。
 私が小説を書くとき、ある方から学んだメソッドを使っています。
 当て書きとは真逆の方法論といいますか。説明が難しい。しかし、聞いたとき、すぐに腑に落ちました。
 このメソッドは登場人物全てを大事にする方法でもあります。

 あとは……うーん。
 取材や独自に集めた資料など、各種素材を元に、いろいろ細々と含ませるように書いてます。様々な視点を持つようにすることが大事だと常々考えているからです。というより、一辺倒な思考はつまらないですしね。何事も自由に遊ぶように、がモットーです。
 で、こうして大から小まで積み重ねておくと、書くときに役立ちます。
「構造や理屈、理を鑑みる」部分とか。
 また、明らかに〈狙った表現を入れる〉〈狙って書いておく〉こともそれに似ています。
 ……すごく抽象的な言い回しになりました。
 ネタバレなしで自作を解説するのは難しい! そもそも自分で自分の書いたものを説明するのは恥ずかしいことです。
 実際の小説を読んで頂くこと。それが全てなのですから。

 えっと、話は変わりますが。
 富山県、及び北陸って美味しいものが多いんですよ。
 海と山のもの、どちらも素晴らしい。
 何故かと考えてみると、やはり自然の力でしょう。
 空、大地、海、川。どれも欠かせません。全てが循環し合っていますから。
 プラス、水の美味しさも大事です。
 水が美味しいところは、何食べても美味しいですよ。
 試して欲しいのは、そこの水で炊いたお米の味です。
 富山県のご飯はとても美味しかった。それは水が美味しいからなのです。
 チェーン店のご飯ですら差が出ますから。
 あと、訪れた土地で「米や水、他素材そのものが美味しい」と感じることが一度でもあったなら、そこはあなたに合った場所です。
 不思議なことですが、割とそんなものだと思います。
 ……え? わたし?
 東北でも本州でも九州でも島でも、どこでも「美味しい!」ってものに出会いすぎているので、どこでも合うのか……?
 屋久島の果物、美味しかったし、東北のお米や魚、たまらなかったし。
 北陸の海産物や鶏肉も最高だったなぁ。関西も旨いもの多いし……ってほら。
 えっと、ただの食いしん坊?

 でも未だ心残りがあるのは、富山県の調査で〈途中になったものがある〉こと。
 とても気になる事柄が多いので、じっくり時間を掛けたいのですが……。
 そもそも「高志」についても気になってますしね。
 越中(今の富山県ですね)などの越は「こし」と読みますが、元々の漢字は「高志」です。
「こし」の由来も諸説ありで、調べがいがあります。


 おっと、話が大幅にずれました。
 ともかく、「牛首村〈小説版〉」はいろいろな要素を含ませました。
 是非、ご一読頂けたら。
 発売は映画に先駆けて、2022年1月20日になっています。
 映画の前に、映画の後に、どちらでも大丈夫だと思います。

 

 

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