ミーム。

 meme。脳に保存され、また、他の脳へ複製可能な情報。

 ここでいう情報は「習慣、技能、物語などの社会的・文化的な情報」を指す。

 リチャード・ドーキンスの提唱したもの。

 遺伝子が生物を構成する情報であるのに対し、ミームは文化を形成する情報であり、進化していく。

 このミームはときおりコピーミスを起こし、進化を促す。

 

 ってことでミーム。

 ミームのいろいろ夢の旅っていうアニメーションで知った言葉「ミーム」。

 物語の案内役のキャラクター・ミームはあの藤田淑子氏が声を当てていました。「CV・藤田淑子」です。一休さんの声、と言った方がある年代には伝わりやすいかも。あとはビックリマンのマルコとか、ダイの大冒険(旧作)のダイとか。

 このミームというキャラクターはアニメの中で様々な科学知識を子供達へ伝えていきます。その名の通りの活躍をするわけです。

 このミームの色々夢の旅のミームのネーミングは、リチャード・ドーキンスのミームから名付けられたものです。

 このアニメーション、凄く面白かったですよね。

 

 現在はインターネット・ミームという言葉も出てきました。

 耳にした方も多いのでは内でしょうか?

〈ネット上で発生し、同じくネットを介して人から人へと模倣されていき、広がっていくこと〉なのです。

 インターネット上で拡散される言葉・言い回し・画像・ネタ、と考えると簡単かも知れません。

 ネットの掲示板発祥であったり、SNSで拡散されたりしますが、この広がりの最中で〈ミスコピーが起こり、違う意味を持つもの〉も存在します。

 原形を留めないほど改変されたものに対し「真の意味は違うんだ!」と憤る気持ちも当然あるでしょうが、これもまたある種の進化と捉えることが可能でしょう。

 正しい例か分かりませんが、例えば「壁ドン」とか。

 元々は〈隣の部屋が煩いから、壁をドンと叩いて警告する〉意味でした。

 それが変化し〈相手の人を壁に追い込み、更に逃げられないように壁に手をドンとつく〉動作を壁ドンとなりました。

 追い込む側がイケてる人で、追い込まれる側が受け手であることが多く、漫画や映画では「胸がドキドキするシーン」に用いられることが多いように思います。

 リアルでやっている人は……いるのかどうか分かりませんが、それはそれでヨシ!

 ヨシ! と言えば現場猫というインターネット・ミームもありますね。

 今、我々が普通に使っている言葉や言い回しなど、インターネット・ミームが大量に混じり合っているのは、きっと大多数の人がネットに接続できるようになった証左でしょう。

 パソコンだけではなく、スマートフォンの普及がそれに拍車を掛けたと言えます。

 

 こうしてミームについて調べていく途中、ふとある漫画作品を思い出しました。

 その名は「ヨルの鍵」です。

 ジャンプ+上で連載されていた漫画で、高村真耶氏の作品となります。

 

 魔法を呼び起こす〈鍵〉を誰しもひとつ持って生まれてくる世界。

 鍵は右手に刻まれた紋様であり、様々な意味と力の種類が存在する。

 大国の末王子・ヨルドはこの鍵の力を暴走させ、街ひとつと、そこに暮らす人々を消し去ってしまった。

 死神と蔑まれるヨルドの贖罪の日々は続くが、ある日、突然そこへ少女が現れる。

 少女がヨルドにもたらしたものは――。

 

 っていうところから始まる物語です。

 ジャンプ+で連載開始以降注目をしておりまして、先日完結しました。

 そして単行本も全て買いましたよ。ええ。

 

 このヨルの鍵の登場人物・ヨルドの元へ現れた少女の名は「メメ」。

 そう。

 ミームの英単語綴り・memeをそのままローマ字読みしたものです。

 何故彼女がメメと名付けられたのか、何となく分かるような……。

 それは本作品をお読み頂ければ「そうかも!」って同意して貰えるかも知れません。

 

 ってことで今回のエッセイは「ヨルの鍵」の宣伝に近いですな。

 これもまた、情報を他の能へ複製する行為と言えましょう。

 

 一話が読めますので、ぜひ御覧あれ。

 私は好きです。ヨルの鍵。