【社畜怪談】、2020年8月28日、竹書房様より発売!

 黒碕薫先生、佐々原史緒先生の実話怪異労働譚が読める一冊です。

 是非、皆様のお手元に……。

 

 

 当然の如く、私は書籍版【社畜怪談】を全編読んでいます。

 そこで考えたことは、本書は「ビジュアルを伴ったメディアミックス向け」ということ。

 例えば、コミックやアニメとか。

 コミックなら青年誌か女性誌かなぁ。作画担当をして下さる先生は、端麗な感じで。

 極個人的に言うと、コッテリホラー表現ではない方が、体験談が際立つと思うんですよね。

 アニメなら、深夜枠。

 1クールの間、声優さんたちがこれでもかと社畜を演じる!

 しかし大人向けだし、残業から帰ってきて見るアニメが社畜だと心にダメージが多いかも知れないので、いっそ体験談を改変して「社畜達の反乱話」にしたらどうか?

 体験談は原案とし、全編再構成の後、脚本化するのがベターですよね。

 

 

 しかし、意外とベストマッチするのがドラマじゃないかと思うのです。

 深夜枠の1クール。

 全体的な構成は「体験談を原案とし、オムニバスドラマ」に。

 具体的に言うと、

 

1)1~13話 それぞれ単独で楽しめる社畜怪異ホラードラマ

2)1~13話に出てくる登場人物同士は何らかの繋がりを持つ。

  ※1話で出てきた体験者の同僚が2話の会社に出入りしている、等

3)全話を通してみると、どこか〈怪異の連鎖の理由〉的なものがある

  ※例えば登場人物(モブ含む)らが社畜過ぎて負を呼び込んでいる、或いは土地など。

4)出来れば1~13話全てを通じて社畜の勤務形態を再現

  ※1話で出社時の辛さから始め、13話で終電を逃す、或いは会社に泊まる、とか

 

 ともかく、多重構造でありつつ、毎週視聴する意味などを添えられたら。

 そして体験者がいらっしゃるものなので、出来るだけ不快感を与えないようにしたいわけです。だから原案という形で「怪異部分は実話・実録」、他はフィクションとして処理をするのが一番ではないかと思います。

 

 因みに、私の頭の中ではドラマになったときの妄想が進んでおりまして。

 例えば、web連載第一回目の「言い残されたこと」ならこんな感じです。

 あ。「体験談」→「実話怪異譚(原案)」→「ドラマ妄想」という流れで妄想しています。

 

 

登場人物

・小和田公平 体験者 三十代 中堅社員

・寒川 小和田の同僚 三十代 中堅社員

 

 ・日の暮れたビジネス街の遠景

 ・帰宅、或いは帰社する人の波、駅の風景

 

 ・事務デスクに叩き付けられる両手アップ

 ・とある会社のフロア全景

  まだ誰も帰っていないのか、空いている席はない

 ・中央にひとり立っているのは寒川

  ワイシャツ、スラックス、ネクタイ、社員証を首に掛けている

 ・寒川が叫びだした

 ・「もー! もー! もー! もー!」

  駄々をこねるように 子供のような様子で

 ・周りは驚きざわめく

  「アイツ」「え?」「はあ?」困惑の表情の同僚達

 ・隣の席に座る小和田、焦った顔で寒川を見上げ、呼びかける

 ・「おい、寒川」

 ・小和田は寒川に呼びかけ続け、静かにさせようとする

 ・寒川は叫び続ける

  周囲は明らかに迷惑そうだ 視線を外し、仕事へ戻っていく

 ・「おい、寒川!」

 ・半分呆れるように、もう半分は怒気を含むようにもう一度小和田が声を上げながら立ち上がる

  が、何かを見て、ギョッとした顔に変わる

 ・寒川の顔アップ

  泣いている 大人ではなかなか見ないほどの大粒の涙

 ・立ち尽くす小和田を無視し、寒川はフロアを飛び出していった

 ・小和田の後ろでは一部社員はその様子を呆然と見送っている

 ・後を追いかけようとする小和田

 ・「おい!」

 ・島の向こうから小和田と寒川の上司が声を上げる

 ・吐き捨てるように上司が言う 「仕事やれ」

 ・心配げに椅子に座る小和田

 ・フロアの様子は、何事もなかったかのように仕事風景に戻る

 ・小和田、もう一度寒川が出ていった方向へ視線を流す

  釈然としない様子でPCのモニタへ顔を向け直し、キーを叩き始める

 

 ・朝の駅 通勤風景

 ・朝礼中の小和田の上司 バストアップ 渋い顔

 ・「寒川君をォ、休職させます」

 ・部署全員ざわめく

 ・小和田 アップ 困惑の表情

  後ろで上司の声「二週間です」うんぬん

 ・「マジか」「この忙しいときに」

  文句を言う同僚たち

 ・小和田、寒川の席を振り返る

  寒川の席には大量のメモや仕事が残っている

 

 ・会社の廊下(昼休み)

 ・人目を避けるようにポケットからスマートフォンを取り出す小和田

 ・スマートフォン アップ

  電話 通話履歴画面

  〈寒川〉に昨日から繰り返し電話を掛けている痕跡

 ・タップ 寒川に通話開始 

 ・『現在、電源が入っていないか……』

  通じない電話

 ・スマートフォンを耳から外す小和田

  目を伏せ、深い溜め息を吐く

 

 

 ……って感じでしょうか?

 この箇条書きをベースに書くと、小説になるんじゃないかなぁ。

 元になったものと読み比べて頂けると、どのように構成し直しているか分かるかと思います。

 で、どうでしょう?

 こうして妄想すると、やはり社畜怪談はドラマ向きだと思うんですよねぇ。

 

 まだ社畜怪談は発売されておりませんが!

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 詳細はそのとき、ひそひそと!

 

 私、趣味は暗躍、かもしんない。

 久田樹生事務所Musth 久田樹生