犬鳴村のBlu-ray&DVDが8/5に発売となります。
また、小説版が5刷決定したということで一連の特別コンテンツを公開して参りました。
今回は予告通り「犬鳴村とわたくし」です。
「清水崇監督の映画・犬鳴村を小説化する」
正直、心が躍ったことを覚えています。
それこそ、友人が家に来ると呪怨を見せまくるという「呪怨パーティ」を開催していたわたくしですから。
とはいえ、身が引き締まる思いがしたのも事実。
どう向き合うか。同切り口を持っていくか。どう書くか。
プロットを重ねていくことにより、自分の中でルールが定まっていきます。
1・基本的に映画本編の内容と脚本で描かれた内容はごく一部を除き全て入れる
2・台詞周りは映画と脚本に存在するものは出来るだけそのまま再現する
3・清水監督ファン向けの要素や、僅かながらの小ネタを仕込む
4・日本全国の心霊スポットや事件現場を取材した内容をエッセンス的に盛り込む
……などです。
もちろんこれだけではないのですが、大きく分けてこんな感じでしょうか。
1ですが、映画本編を御覧になった方々だと気付かれたと思います。
なくなっているシーンが若干あることに(もちろん映画にないシーンもあります)。
何故そこがカットされているかというと……まあそこは語りません。
あ。あと劇中に出てくる小物や文字情報は出来うる限り文中に加えてあります。
一瞬であったり、見逃しやすかったりする部分なので、劇場だと見落としがちな部分ですので、Blu-rayやDVDで一時停止をし、小説と比べて頂けたら、と思います。
2は1のルールとリンクしています。
映画そのままを書くことを前提としたため、台詞を変更することを避けたかったからです。
脚本と映像を比較しつつ可能な限りそのまま記載しました。加えて、敢えて方言での表現は避けています(一部だけ方言風にしましたが)。
が、やはり映像だと成り立つ部分や、脚本上の句読点と実際の台詞の呼吸が違う部分などは変更してあります。
3になると割と自己満足というか……。
ディープすぎるとよろしくないので、ある程度分かりやすい物を、と選びました。
また小ネタも同じく自己満足です。登場人物の描写など、チマチマ加えています。
感想などを見るとまだ気付かれていない部分もありますので、是非映画本編と小説を比べながら探してみる、というのは如何でしょうか?
4に関しては……やはりこれも自己満足でしょうか。
犬鳴トンネル、及び周辺の景色や空気、匂いなどに加え、日本全国津々浦々で得た「スポットの雰囲気」などを加えています。
例を挙げると「この○○隧道には女が出る」とかあれば、実際にそのポイントを訪れたときの印象などを加えています。
また「そこに遺体があったらしい」と聞けば、同じ目の高さになるよう寝転んでみて、そのときの雰囲気を加えた部分も。
断崖絶壁、異様な雰囲気の廃村、山深い所や木々が生い茂り視界を塞ぐ場所など、取材をしていると様々な経験が積み重なっていきます。それらを映画と脚本の内容に沿って使ってみました。やはり自己満足かも知れませんね。
こうやって執筆した「犬鳴村〈小説版〉」ですが、遂に5刷突入しました。
清水監督を始めとした映画関係者の方々、映画・犬鳴村、竹書房関係者様、そして読んで下さった方々のお陰です。
本当にありがとうございます。
映画館での上映が世界的な諸事情で短くなったために、作品を御覧になれなかった方も多いと聞きます。
もしまだ御覧になっていない方がいらっしゃれば、Blu-ray&DVDが発売されますから、そちらで楽しんで頂けたらと切に願います。
もちろん、「犬鳴村〈小説版〉」を副読本として傍らに置いて頂けると幸いです。
樹海村の撮影がスタートしましたが、まだ犬鳴村は終わりません。
夏到来の今、是非、Blu-ray&DVD、そして小説版を御覧頂き、初めての方にも、何度目かの方にも震えて頂けたら、と思います。
久田樹生事務所 Musth 久田樹生