毎日の生活の中で、家事は大変な手間になります。

 炊事洗濯、掃除……。本当に面倒なことだらけ。

 とはいえ、自宅にいる時間の多い今だからこそ、ちょっとだけ時間を掛けたものを作って、食べてみましょう。

 今回は第1回なので、材料が揃えやすいものをひとつ。

 

 

〈十の功徳 お粥〉

 丁寧に炊くと手間暇の掛かるお粥。

 しかしお粥には十の功徳(よい果報が得られる)と言います。

【色・力・寿・楽・詞清弁・宿食除・風除・飢消・渇消・大小便調適】

〈肌の色つやが良くなる。気力と体力が増す。体にやさしく命を長らえる(寿命を延ばす)。言葉が清くさわやかになる。消化が良い。風邪を遠ざける。飢えをいやす。のどの渇きを消し、潤す。大小の便通を良くする〉

 これら、10種です。

 今、元気を保つことが肝要。

 だからこそ、お粥を召し上がってみては如何でしょうか?

 もちろん、十の功徳を願いながら。

 それに丁寧に炊いたお粥は美味しいですよ。

 滋味深く、舌の感覚を鋭敏にしてくれますから。

 

 

 材料 だいたい2人前

 お米:半合(カップ半分) 銘柄に拘ってもOK! 可能なら好みの物を選びましょう

 水 :お米の7倍(6カップ程度)もっと柔らかい方がよいなら、お米の10倍くらい

 

 手順

 1)お米を研ぐ。

   ボウルに入れ、上から静かに分量外の水を注ぎ、お米を砕かないよう丁寧に。

   何度か水を替え、ザルに上げておきましょう。

   ※研ぐ水と焚く水はできれば〈美味しい水〉にして下さい。

    特に最初に注ぐ水は大事。お米が最も風味を吸うタイミングと言われていますので。

    浄水器を通したり、ミネラルウォーター(軟水)を使ったりなど、拘ってみるのも良いと思います。

    でも、日本の水が安全ですから、水道水でも大丈夫です。

    その際は、研ぎ1回目とお粥を炊く用の水として湯冷ましを用意してみては?

    ほんの少しの工夫が味に影響しますから。

 

 2)鍋にお米と分量の水を加え、中火で煮る。

   鍋は土鍋でも普通の鍋でも大丈夫です。

   お薦めは土鍋。次にホーロー鍋や厚手の鍋でしょうか。

   中華鍋など鍋肌が鉄製のものは避けましょう。

   ※中火とは、鍋などの底面に炎の先端が当たるか当たらないくらいの火加減。

 

 3)中身が湧いてきて、白い泡が出てきたら、しゃもじで底を何回かこそげるようにかきまぜる。

   そしてフタをして、弱火に。

   この時、鍋の縁に菜箸などを渡し、その上にフタを起いて隙間を空けましょう。

   ※弱火とは、鍋などの底に火が当たらない状態。中身がふつふつと静かに湧く状態の火加減です。

 

 4)3040分ほど焦がさないように加減しつつ炊いたら、できあがり。

   食卓に鍋ごと持って行き、お茶碗へ取り分けて下さい。

   美味しい塩や梅干し、佃煮などをお好みで添えて召し上がれ。

   ※仕上がりに薄く塩を加えるものもあるので、そこはお好みで。

 

 

 お粥が嫌い! って方もいらっしゃると思います。

 とくにお子様は率先して召し上がりませんよね。うん。

 そんなとき、トッピングに凝ってみるのも楽しいです。

 鶏肉の甘辛そぼろや、炒り卵など、少しコクあるものや、三つ葉などの薬味など如何でしょう?(土地土地の美味しいご飯の友もいけます)

 あと、塩昆布を振りかけて少し置いておく。出汁が染み出して好きですね-。

 あとは鰹だしに酒と醤油で味を付け、片栗粉などでとろみを付けたアンも合います。

「えー。用意するのめんどくさーい」なら、お茶漬けの元をさらっと振りかけても旨し!

 お薦めは、梅とか海苔、鮭。

 

 ひとりでも家族でも楽しめるのがお粥の面白いところです。

 十の功徳も得られることですから、一度チャレンジしてみて下さい!

 

 久田樹生事務所 Musth 久田樹生