Matteo Mancuso Artist Tone を。
現在話題のギタリスト、Matteo Mancuso。
マッテオ・マンクーゾと読みまして、シチリアはパレルモ出身です。
ピックを使わない超個性派の超絶技巧派……ていうか何でも自分のスタイルで弾けるタイプじゃないかなあ。
彼はライブ・リグとしてLine6のHelixを使っておりましたが、今はHelix Stadiumに移行しています。その本人が作り上げたHelix時のArtist Toneプリセットが配布されていますので、サクサクダウンロードからのHelixにジャックイン!(違う) しておりました。あんまり使っていなかったけれど。
おっとダウンロードは下のリンク先から。
で、当人のデモ演奏+プリセット解説は下に。
プリセット内容の概要。
本プリセットは基本的に〈スナップショット〉で制御します。
スナップショットネームは以下の通り。
- Clean
- Chorus
- Crunch
- Lead
大体ネーミングの通りのトーンだと思って下さい。
スナップショットは下段のフットスイッチで切り替え。
そして一部エフェクトのオンオフは上段のフットスイッチで行います。
デモ演奏を見る限り、Leadプリセットで〈オーバードライブブロックのオン/オフ+ディレイのオン/オフ〉コントロールを行っているようです。歪み量調整、ディレイを入れるか入れないか、ですね。
プリセットを作る際「キャビネットのパラメータが重要」と話しています。基本的にダークなサウンドを狙っているようですが「時にダークすぎることがあるので、ギター側ボリュームを10から9に1つ下げて使う」のが彼の拘りです。
Cleanは「エリック・ジョンソンなどの好きなギタリストのCleanを目指した」トーン。ChorusはCleanにコーラスとボトムを足したもので、ブリッジ側ピックアップで使うことでダークさを削ります。Crunchはクランチサウンド、と言いたいところですが……クランチって人によって全く違うんですよね。クリーンをやや歪ませたものをクランチというギタリストもいれば、ゴリゴリのディトーションサウンドじゃん! というものをクランチというギタリストもいます。マッテオの場合は〈クリーンをエフェクターで歪ませ、ブルース~Rock'n'rollまでこなせそうなもの〉です。ディストーションブロックを置き、ゲイン量を減らして音作りをしています。Leadはアンプそのものを変え、更にディレイを掛けた物。充分(必要以上?)なサステインを得られますが、歪み過ぎではありません。ここにフットスイッチでオーバードライブ/ディストーションブロックをスタックさせ、更に深いゲインを得ることもあります。
基本的にHelixからステレオで出力し、インイヤーモニターでモニターしています。ステージ上にアンプはなく、外音はPAを通していますね。インイヤーモニターを使わないときは足下のモニタースピーカーを使っています。
しかしHX Stompで使えない。
上記のArtist Toneですが、Helix専用です。
ブロック数、フットスイッチの割り振りなどの点でHX Stompでは使えません。
外部EXPペダルなしだとスナップショットで切り替えられるのは3つまでですし、各種エフェクトのオンオフによる制御もままなりませんから。
そこで一計を案じました。
元々のArtist Toneから〈スナップショット1~3で使うブロック〉と〈スナップショット4で使うブロック〉を切り替えながら調べます。
その後、Artist Toneプリセットを2つコピーし、それぞれ〈Clean〉〈Lead〉と名付けた後【Cleanの方はクリーンで使うブロックを残して、他は削除。保存】。【Leadの方はリードで使うブロックを残して、他は削除。保存】します。
更にスナップショットなどの微調整を行って再びセーブ。
これでHX Stompで使えるプリセットの完成です。それぞれのプリセットデータをエクスポートして、HX Stompへインポートしましょう。
スナップショットごとの説明。
ではどのようなブロック構成になったのか。
以下の画像と共に説明します。
1)クリーンプリセット〈Clean〉

これは「エリック・ジョンソン風」と説明されたクリーンです。
Jazz的プレイなどで使えます。
2)クリーンプリセット〈Chorus〉

モジュレーションとしてコーラスをオン。
ブリッジ側ピップアップで使うことが多いプリセットです。
3)クリーンプリセット〈CRUNCH〉

オーバードライブブロックをオン、コーラスオフ。
クランチサウンドですが、ブルースなどのリードプレイにも使えそうです。
4)リードプリセット〈Lead〉※デモ演奏はこのプリセットが基本

アンプモデルから変更されたリードプリセット。
ディレイが加わった甘いトーン。ロングサステインが得られます。
5)リードプリセット〈OD Plus〉

ディストーションブロックをスタックさせたリードトーン。
アグレッシブさを足したいときに使用します。
6)リードプリセット〈Delay Off〉

ディストーションブロックのスタックを維持、ディレイをオフにしたもの。
デモ演奏の中で使われています。要チェック。
運用方法。
HX Stompでこれらプリセットを使う場合
- アウトプットはステレオで
- 基本はスナップショットモードに
- ギター側のコントロールも加える
ことが肝要です。
使用ギターですが、マッテオ・マンクーゾはYAMAHAの『Revstar』と『Pacifica』。デモ演奏ではRevstarですね。初期モデルは完全ソリッドボディですが、近年のものはウェイトリリーフ加工で内部に空洞がある=サステインが増えたらしいとか。このプリセットを弾くときはRevstarを使うと更にらしいトーンになる……? かも知れませんけれども、Les PaulやLes Paulコピーモデルでも良いような気もします。わたくし? わたくしは8弦ギターでも鳴らしてます。ふははは。
まあ8弦の前にいろいろなギターをとっかえひっかえしてプリセットをチェックしましたが、それぞれでトーンがかなり変わります。ですので、マッテオトーンに近づけるには自分が使うギターに合わせてパラメータの微調整するのがお薦めです。んで、マッテオは指先に硬化ジェル塗っているっぽいんで、彼独特の奏法で同じトーンにするにはそこまで拘らなくてはならぬ! ってことも書き添えておきます。
おっと。上記HX Stomp用プリセット使用時、ライブ中やスタジオのリハなどで〈フットスイッチだけでプリセットを変更したい〉ことがあると思います。
そのときは【スナップショットモードのまま、HX Stompのフットスイッチ1+2(向かって左と真ん中のフットスイッチ)を同時に踏むと、プリセット切り替えモードになるので、任意のフットスイッチを踏み選択】して下さい。その後は何もしなくとも即スナップショットモードになります。
これなら上記のプリセットを使いやすいと思います。ストンプモードの設定をせずに、スナップショットモードをメインにしたのはそのためです。
ただしこの方法を用いるときは「クリーンプリセットからリードプリセット、リードプリセットからクリーンプリセットへ変更」がワンアクションで行えません。フットスイッチ同時踏み→プリセット選択というツーアクションになります。曲の最中にプリセット切り替えをするのなら〈曲の中でギターサウンドが必要が無いとき〉くらいしか選べないでしょう。ここは注意して下さい。※外部EXPフットスイッチなどを増設したら解決/対応できる可能性はあります。
個人的にはクリーンプリセットで賄える曲はクリーンプリセット、リードプリセットのみで賄える曲はリードプリセットだけ使う……というパターンを採用したいところです。デモ演奏でもリードプリセットのみですから。
あ! それかクリーンプリセットに外部エフェクトでリード用にオーバードライブやディストーションを足してしまうのもアリです。この場合は歪みペダルを置きたい場所にセンドリターンブロックを置いて各種設定をすればいけます。詳細は下のリンク先にて。ただしマッテオの設定したリード用アンプトーンではありませんが。
Helix/Helix LTを使えば何の問題もないのですけれどねぇ。元も子もない話ですが、これも選択肢の1つとしてお考え下さい。
そう言えばマッテオ・マンクーゾは「HelixのバックアップとしてHX Stompをライブシーンで帯同していた」ようです。と言うことはHX Stomp用に作った彼のプリセットも存在している訳ですが、それは公開されていません。残念!
わたくしは、リハスタなどでは上のクリーン/リードプリセットをHX Stompで使う方向になると思います。機材は軽い方がいいのでねぇ(ものぐさ)。
皆様もマッテオ・マンクーゾトーンをお楽しみ下さい。
そしてこのプリセットをベースにご自身が使い易いカスタマイズを。
あれこれやるのは楽しいですよう。
思いつきのオマケ。
オマケ。
まず下のプリセットをご覧下さい。

メインに据えたのは「Roland Jazz Chorus JC-120」モデリングアンプ。
置いただけでパラメータは弄っていません。そしてその前段にはディストーション、ディレイ、コーラスを直列配置しています。
さあ、これから導き出されるプリセット作成意図、テーマは何でしょう?
……と勿体ぶっても仕方がないので、答え。
【ギターを弾き始めた頃のリグ構成】
でしたー。やんややんや。
最初はLes Paulコピーモデルにマルチエフェクター(ディストーション、ディレイ、コーラス他でプリセットを組んだもの)をリハスタにあるJC-120 (コンボ。だから上のプリセットもAmp+CABを選んでいます)のインプットに突っ込んだだけでしたねぇ。途中からBOSSのペダルでディストーション+デジタルディレイ+コーラスに置き換えましたが。
- ディストーションオンでメタルトーン
- ディストーションオフでクリーン
- コーラスオンでクリーン+コーラス
- ディストーション+ディレイでリードトーン
- ディレイ+コーラスでアルペジオなど
って使い分けをしていました。ギターのボリュームで歪み量調整なんぞしておりませんでしたから、エフェクトのオンオフで「歪み! クリーン! 二択! あとはディレイとコーラスで下手糞を誤魔化す!」というね。単純明快な使い方だったと思います。アンプ前にディレイやコーラスを置くとガッツリ明瞭な掛かり方をする、なんて知りもしない時期だったもんなあ。あと足下に並んだペダル類のセッティングなんかよく分からずにやっていました。JC-120 もミッドを削ったドンシャリ(?)セッティングでしたが、これ、確かギター雑誌かなんかで「メタルトーンはドンシャリ!」みたいなものを見て真似ただけでしたもの。
で、今回Line6 Helixで再現してみようと思いついたきっかけはマッテオ・マンクーゾトーンを試している最中のことでした。何となく「マッテオもエフェクトでトーンコントロールしているとこあるなあ。ギターを始めた頃、似たことしていたような気がするなあ。なら、あの頃の機材構成をLine6で再現したらどうなる?」っていう。
実際プリセットを組んで、フットスイッチによるエフェクトオン/オフコントロールだけしてみましたが……いやー、懐かしい……のかどうなんだか。ディストーションのみだと物足りない感じですし、ディレイとコーラスが効きまくるし、JC-120 だけでも良い感じのクリーンだし。当時のイメージとは違うなあ、って感じ-。
作っておいてなんですが、ぶっちゃけ好みではないプリセットです。
で、試しにJC-120 のパラメータをプレゼンス含めて全て真ん中にしたら、やたらとトレブルが出ていてイマイチ。そしてゲインは弄っていないのに単体でも歪みだしたので元に戻しました。……そう。EQを上げると歪みに影響が出るんですよね、アンプって。Line6はここまでモデリングしているのだなッ。なッ。
もし今置いている各ブロックを使って「使えるプリセットにする」のなら
- JC-120 はミッドローを強めて、トレブル下げ、プレゼンス適宜
- キャビとマイクパラメータを変更
- ディストーションはゲインやや下げ
- ディレイはJC-120 の後置き
- コーラスはディレイの後でセパレート配置
かなあ。足して良いなら、最後段にリバーブとEQ。
……原型も糞もないヤツ。はははは。
それなら他の気に入っているクリーン系アンプモデリング+別のエフェクツで最初から作り直した方がいいです。そちらの方が狙ったトーンが出しやすいもの。
うはあ。本末転倒とはこのことか。
そんなオマケでした。どっとはらい。