ドレサージュ(調教)
・・・目次を開くと妖しいフランス語が続く。
カレッス(快擦)・・・ジュイサーンス(快楽)・・・オプセルヴァシアン(観察)
GWの暇つぶしに、本屋で見かけた一冊の本を買った。
- 著者: 渡辺 淳一 タイトル: シャトウルージュ という文庫本だ。
妖艶なカバーをもつその内容は・・・自分を愛してくれない妻を、フランスの城で組織に手をゆだねドレサージュ(調教)すること。
現実離れした設定とその妖しいフランス語たちは私の好奇心を強くかりたてる。 読み始めると、、ページをめくる手も早く、500ページを二日で読み終えていた。 清楚で気高いお嬢様育ちの妻、SEXを完全否定し寄せ付けない妻が変わってゆく様は、とにかくエロくて興味深い。 まるで自分が調教するかのように、その内容にどんどん引き込まれてゆく。 最終的にその妻は、「狂おしいほど性に執着する淫らな女」改造されていったのだから。
しかし、ただエロいだけの小説ではなかった。
一見、日常的にはまったく関係のなさそうな(調教)だが、そこにたどり着いた理由を聞くと、実に「ありえる」話に思えてくる。 この夫のとった(調教)という異常な行動はまったくの他人事とは思えなくなる。
それは、夫婦間でさえコミュニケーションをうまくとることのできない現代へのアンチテーゼであり、特に、最後を締めくくる、調教の終わった妻からの夫に対する手紙は、自分を含めた夫たちに対する作者からの鮮烈なメーッセージだ。
うちの女房殿との関係は・・・うーん、この「夫が妻を愛そうとする」小説を読み終えた今、多少、いや結構悩むべきなのかもしれない。
このGW、時間がある方は是非読んでいただきたい。