新年を迎えましたが、みなさま、どのようにお過ごしですか?

少しはのんびりできましたか?

 

私は、今年は少し実家に帰ることができて、昨日自宅に戻る予定でいたのですが、吹雪のため公共交通機関がのきなみ運休となり、今日も1便だけ動いたバスに何とか飛び乗って、無事に家まで帰りついたところです。

視界の悪い中、安全に運転してくださった運転手さんには、本当にありがたいのひと言です。

 

そういえば、去年も、大雪で、完全に街の機能がストップしてしまったことがあって、世の中は、AIが普及したり便利で素晴らしいものがどんどん開発されているというのに、自然の猛威にだけは、相変わらず人間は無力なのだなあということをつくづく思い知らされました。

でも、こうやって安全に暖かい部屋にたどり着いた今この時にも、色んな次元で雪と格闘してくださっているかたたちはたくさんいて、街が維持できていたり生活が守られているということは、当たり前のようで当たり前なことではないのだよなあということも改めて考えたりしています。

そして天候に限らず、この数年に渡るコロナ禍を過ごして、私たちの誰しもが、実際は、いつ何が起きるかわからない不確定さの中を生きているのだということを嚙み締めたかたは少なくないのではないかと思います。

 

年末、1年ほどカウンセリングを通して関わらせていただいている、Eさんという女性から、カウンセリングの体験談をいただきました。

Eさんは、仕事で高い評価を得ている優秀なかたで、フリーランスでありながらそのマネジメント能力もひっぱりだこで、非の打ちどころのない女性です。

しかし、私が出会った頃、Eさんは、大きな手術を何度か必要とする病気のため療養を余儀なくされている状況で、回復しかけては大きく崩れる病状、長期に渡って仕事に戻れない不安、家族とも理由があって一切頼ることのできない状況という中にありました。

 

でも、ご本人が書いておられるような藁をもつかむという感じは当時は少しもなくて、いつもとても柔らかで優しい優しい口調で、お辛い時にも、自分よりも周りへの気遣いを優先させるようなかた(病気で身体が限界にきている時というのは、何かを訴えるような気力体力さえ持ててないということもあるのだろうと思います)なのです。

ただ、一方で、聞きする内容自体は、決してのんびりと構えていられるという状況ではなくて、私自身も、いつ何が起きるのかわからないという、とても張り詰めた気持ちで、Eさんからの連絡を待っていたのを覚えています。

 

こちらがEさんの書いてくださった体験談です。

 

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体調不良で緊急入院した後一人でどう向き合っていけばいいか分からず

不安発作と医療のさまざまな手続き、今後の治療を一人で考えなければならず

藁をも掴む気持ちでカウンセリングをしていただきました。

 

初回のカウンセリングからたくさんのアドバイスをいただき

保険でサポートしてもらえるところを紹介してもらいました。

医療面の相談も受けてくれて私が無知すぎることが分かり

医療のインフラを作る目標でご相談しながら整備していきました。

 

前田さんのおかげで転院やサポートを受ける施設など順調にこなせ

相談できる場所もいくつか見つかりました。

 

その後手術を決め、今年無事手術を受けて元気になりました。

不安発作も良くなって、以前よりお薬を飲む機会も減りました。

 

この期間にたくさんのトラブルにも会いそのたびに前田さんを頼って相談しました。

愚痴だったりアドバイスだったりいつも話を聞いてもらっています

 

少し落ち着いてからも自分の頭を整理するのにカウンセリングしてもらっています。

 

今後もお願いしたいです。

 

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大空をゆらゆらと漂っている風船があるとして、そこからか細いか細い糸が伸びていたとしたら、それを必死につかんで、ここにいるよ?つながっていていい?と問い続けることが、ある意味カウンセリングというものの役割なのではないかと思うことがあります。

ただ、強くつかんで引っ張ってしまうと糸は切れてしまうかもしれない、でもぼんやりして糸をちゃんと見つめていないと糸はするりと手のひらからすり抜けてしまうかもしれない、そして、風船は大空高く飛んでいって消えてしまうかもしれない。そのバランスはとても難しいです。

 

私がいつも思うのは、このか細い糸をまず少しでも太く強いものにしていくこと。

太くするのは、もちろん必ずしもカウンセリングでなくていいのです。

その時その時、必要な情報を持っていたり必要なセンスを持ってくれている人が関わってくれることで、か細い糸が多様に織り込まれて、糸はしっかりしたものになっていく。

そして、より自分らしさが花開いていく。

 

でもこのプロセスは、考えてコントロールできるものではないし、求められていないのに手を出すことも出来ないんですよね。

相手との協同作業でもあったりします。

 

いつもながら、Eさんの優しい優しい空気が伝わる文章を、ありがとうございました。

きっとこれからまたEさんについて書きたいことが出てくると思うので、ことばになったらまた書かせてもらいますね。

優しい以外のEさんも遠慮なく話してもらえるように、私も成長していきたいと思います。