2020年ジャパンカップをテレビで観戦した。競馬を観るのは久しぶり。引退試合を勝利で飾ったアーモンドアイ、お見事でした。落ち着いていてとても可愛い馬ですね。

ジャパンカップは私にとって思い出深いレースです。転職を考えていた若い頃、仕事(出版社で競馬雑誌の編集部にいた)を変えたくても無職の期間を乗り切る貯金が不安だったので、馬券が当たったら会社を辞めて転職することに決め、選んだのがジャパンカップだった。これが人生の転機となった。

いつも私は馬を選ぶとき、その馬の「前走の様子」と「本馬場入場の返し馬で厩務員さんが綱を放した直後の馬の走りだす姿」で判断していた。当時選んだ馬は、前走では一旦抜かれたのにゴール前で抜き返して1着になるという恐ろしく勝負強い走りをし、馬体重の増減もほぼ無く、返し馬での走りもスムーズで美しかったので、10万円で単勝と複勝を買って観戦したところ見事に優勝し、お陰様で転職できた。マーベラスクラウンが負けていたら、おそらく私は今成田に居ないでしょう。

アーモンドアイを管理している国枝調教師がテレビに映っていた。出版社で働く前に働いていたサーストン牧場には、国枝調教師の管理馬がたくさん出入りしていたので何度か会ったことがあり、懐かしかった。もう30年前だが、調教師なのに気さくで馬にとってプラスなことを率先して考える、とても先進的な調教師だなと思っていたが、こういう人が業界で成功することは喜ばしい。競馬界もずいぶん変わったようだ。

牧場で馬房の寝藁をどれだけ速く整えるか仲間と競争したり、馬に乗っては落馬し、蹴られたり噛まれたりしていた若き日のあの頃は、今になって思うととても懐かしい思い出です。

成田市 馬に乗れる市議会議員
星野慎太郎

恐がりで落ち着かない馬の馬房には、よくウサギを入れるようです