2013/01/21 TEDxTokyo Google+ ハングアウトまとめ | ヨーヨー世界チャンピオンBLACKオフィシャルブログ「BLACK’s Yo-Yo life」 Powered by Ameba

2013/01/21 TEDxTokyo Google+ ハングアウトまとめ

ヨーヨー世界チャンピオンBLACKオフィシャルブログ「BLACK’s Yo-Yo life」 Powered by Ameba


先日、TEDxTokyoさんの主催するオンライン生放送に参加しました。

Google+ のハングアウト機能を使った
「TEDxTokyo Google+ハングアウト」
です。

隔週月曜日に行っているそうで、
今回のテーマは「TED2013のスピーカーについて」という事で、
僕は登壇者側の立場から参加させていただきました。


が、我ながら準備不足で、
思うように返答できなかった気がするので(汗)、
改めて、自分なりの回答についてまとめさせていただきました。



Q. まずは自己紹介を



BLACKと申します。
ヨーヨーを使ったパフォーマーをやっています。



Q. スピーカーとして決定したときの気持ちは?



とにかく嬉しい、という気持ちだったと思うのですが、
その気持ちが一気に高ぶりすぎて、

とにかく感情の振れ幅がMAXまで行ってしまい
アタマが真っ白になってしまった、という状況でした(笑)



Q. どのような準備を行っていますか?



僕は、スピーチとパフォーマンスの両方を行う予定なので、
それぞれにおいて、多くの方々の力を借りながら準備をしています。


スピーチについては、
TEDxTokyo代表のPatrick Newell氏に相談に乗ってもらいながら
調整を重ねています。


パフォーマンスについては、

・オリジナルのヨーヨー
・オリジナルの楽曲
・プロの方による振り付けの指導

これらをもって、
さらによい演技になるよう練習を重ねています。


Q. ヨーヨー本体は、オーディションで使用したものからさらに変更されるんですか?



オーディションで使用したヨーヨーは、
そのまま使用します。

それ以外に、同ヨーヨーの予備分を製作いただいています。

また、本番はオーディション時よりも持ち時間が長いため、
演技の内容も、オーディションで披露した演技の後に、
更に付け加えられるパートがあるんです。

そのパートで使用するヨーヨーの準備も行っています。



Q. 過去に出演されたTEDxTokyoなどをはじめ、TEDもしくはTEDxと関わるようになってから、身の回りに変化は起きましたか?



僕は2011年のTEDxTokyoに出演させていただいたのですが、
その前と後でとても大きな変化がありました。


TEDxイベントは、本家TEDからライセンスを受けるにあたり守らなければならない厳しいルールというのがいくつかあって、その特徴の一つに、「登壇者に、持ち時間を厳しく守らせる」という点があります。

TEDxTokyoも社会的評価のとても高い場所ですので、
そこで話したい事は沢山ありました。

ですが、持ち時間を必ず守るよう厳しく求められたので、
原稿内容の調整には時間を要しました。

そうして余分な内容をどんどん削いでいくと、
自分が本当に言いたいことだけが残りました。

それは言い換えると、
「自分とはどういう人間なのか」
という事を探す作業であったように思います。


これによって、自分の芯、柱のような物がおぼろげながら見えてきて、
それはヨーヨーパフォーマンスのみならず、
その後の様々な行動指針に影響を与えています。

これは、TED・TEDxに関わるようになってから起きた、
大きな変化だと思います。



Q. その『自分の芯』が見つかって、パフォーマンスはどのように変化したのでしょうか?



パフォーマンスそのものというよりは、
ご覧下さった観客のの反応が変化したように思います。


パフォーマンスというのは、
演者と観客の方とのコミュニケーションだと思っています。

ヨーヨーパフォーマンスというのは、
基本的には、ヨーヨーの技を繰り出していって、
難解そうに見える技を成功させているのがすごい、という物です。

しかし実際にショーを行うと、
ノーミスの演技ができてもお客さんの反応はイマイチな事もあれば、
多少失敗をしてしまってもすごくいい反応が返ってくる事もあります。


その差はどこから生まれるのかと考えたとき、
「見た人がどれだけ心を揺さぶられたか」
という点が重要なのではないかと思います。

「自分がどういう人間で、何を表現したいのか」を考え、
それを相手に伝えられるような形に落とし込んで、
それが見た人に伝わったときに初めて、
相手の心を動かすことが出来るのでは、と思っています。


僕の場合、
TED・TEDxのおかげで自分の芯が見えてきた事により、
演技により思いを込めるようになった気がしています。

具体的に、披露する技を変えた、というわけではないのですが、
ご覧下さった方の反応が目に見えて良くなったというのは、
言い換えれば、その思いが伝わりやすい演技に変化したのではないかと思います。


Q. 今回のTEDで行うパフォーマンスは、普段行っているパフォーマンスと異なる点や、TEDならではの工夫などはありますか?



あります。


僕は元々、商業施設、ホテルショー、TV番組など、
それぞれの出演先に合わせパフォーマンス内容を少しずつ変えています。

そういったいくつかのパターンの中で、
今回のTED向け演技のベースとなっているのは、
『和』をテーマにした演技です。


これは元々、海外公演、
特にヨーロッパなどのサーカスフェスティバルに向け
制作した演技でした。

海外での公演という意味では同じなのですが、
観客の方が『サーカス芸』として見るのではなく、『エンターテインメント』として見るのだ、という点が大きな違いだと思っています。


じゃあ具体的にどんな変更を加えたのかというと、
ネタバレになってしまうので今の段階ではまだ言えないのですが(笑)、
1点だけ挙げるとしたら、フィニッシュの締め方を大きく変えました。



Q. 過去に海外での公演経験はありますか?



はい、何度もあります。

ヨーヨーは世界大会がアメリカで行われているので、
その参戦の際、別の都市も回ってパフォーマンスを行った経験があります。

最近だと、昨年台湾のTV番組に出演させていただきました。



Q. 日本、アメリカなどをはじめとした海外、そしてTEDコミュニティと、観客の方の反応に違いはありますか?



かなり大きな違いを感じます。


日本の場合、少し距離を取って、静かにご覧になる方が多いように感じます。

一方アメリカの場合、とにかく盛り上がってくれます。
「楽しんでやるぜ!」という気持ちを強く感じますね。


じゃあTEDコニュニティはどうかと言うと、ちょっと特殊で、
『学びを求めている』という姿勢を、本当に強く感じます。

「このスピーカーは何を言いたいのか、それは自分にどう影響するのか」
を貪欲に探し、一言一句漏らさぬよう、本当に真剣に聞いて下さるんです。

そういう姿勢は、スピーカー側にとっても本当に嬉しいことで、
それに応えたいと思い、自然と、より丁寧に、より真剣にスピーチを行うようになります。


TEDxTokyoでのスピーチは、
我ながら(人生初の英語スピーチにしては)上手くいったなぁと思っているのですが(笑)、それは、そういう観客の皆さんの姿勢に助けていただいた部分もとても大きいですね。



Q. ヨーヨーを始めたきっかけは?



僕が14歳の頃、
『ハイパーヨーヨー』という玩具が流行っていたんです。

はじめは、子供の玩具として手に取りました。

当初は、持ち前の不器用さを発揮し
上下させることすらままならなかったのですが、
1週間ほど練習して、ようやく基本の投げ方はできるようになりました。

それはとても些細なことだったのだと思いますが、
当時の僕にとっては大きな成功体験で、
「ヨーヨーなら、上手くなれる可能性があるかも・・・!」
と思いました。

これが、その後練習を続けるためのモチベーションになったのではないかと思います。



Q. BLACKさんからは、スポーツ選手のようなストイックさを感じるのですが、それはどこから生まれるのでしょうか?



スポーツ選手の方と並べていただくのはおこがましいと思いますが、
今はいったん置いておいて(笑)

おそらくは、世界大会優勝後の出来事に端を発しているのだと思います。


世界チャンピオンになる事はヨーヨーを始めた時からの夢でしたが、
2001年にその夢が叶って日本に帰っても、日常生活には何の変化もなく、
普通の学生としての生活が待っているだけでした。

その時に、「ヨーヨーというのは子供の玩具という側面しか認知されておらず、社会からの評価は低いのだ」と痛感しました。


「ヨーヨー=子供の玩具」というのはその通りですし、
否定する気は全くありません。

ですが、
「ただの上下する玩具ではない、違う側面もヨーヨーにはあるのだ」
ということを世の人々に知ってもらうことにより、
ヨーヨーの社会的評価を上げたい、と考えるようになりました。

そのためには、
「社会的に評価の高い場所」で、
「それに見合うだけのヨーヨーパフォーマンスを披露する」
事が必要だと考えました。


しかし一方で、
それだけの場所に出演させていただける機会を得ること、
また、そのレベルまでパフォーマンスを高めるためには、
途方もない努力が必要であることも痛感していました。

目標が遙か遠く、
一方自分はスタートラインにすら立てていなかったことを理解しているからこそ、
努力を続けられているのではないかと思います。