#TEDxTokyo 2011 プレゼン原稿の完全版を公開します | ヨーヨー世界チャンピオンBLACKオフィシャルブログ「BLACK’s Yo-Yo life」 Powered by Ameba

#TEDxTokyo 2011 プレゼン原稿の完全版を公開します



みなさんこんにちは。
僕はBLACKと言います。ヨーヨーのパフォーマーをやっています。

今日は『情熱を持つこと』について、
僕の経験を通してお話しさせていただきたいと思います。


1997年の夏、僕はヨーヨーと出会いました。
最初のヨーヨー体験は、このようなものでした。

(失敗)

失敗、ですね。

それは最も簡単とされる投げ方だったのですが、
成功させることは出来ませんでした。

まぁ、それもそのはず。

僕は運動が大の苦手で、
あらゆるスポーツが大っ嫌いだったんです。


しかし、1週間ほど練習すると、
このような感じになりました。

(ヒモの先端で空転するヨーヨー)

少しマシになりました。

「ヨーヨーは、僕が初めて上達できる、得意と言える物になるかもしれない」

そう思いました。


そして、ヨーヨーを始めて2,3年が経つ頃には、
僕のヨーヨーの腕はこの程度になっていました。

(ちょっとした技を披露)

それっぽくなってきたと思いませんか?(笑)

この頃には、練習すればするほど上達するヨーヨーに本当にのめり込み、
気がつけば朝方まで練習するほど、情熱を傾けるようになっていました。

そして、「いつか、世界一になりたい」。
そんな夢を抱くようになっていました。


2001年の夏、この夢は現実の物となりました。
僕は世界チャンピオンになることが出来たのです。18歳の時でした。

「やった!ついに夢が叶った!これで僕もヒーローだ!」
そう思いました。

しかし日本へ帰ってみると、メディアの取材やスポンサー契約の話があるでもなく、
いままでと全く変わらない日常が待っていました。


ヨーヨーは、オリンピック種目に選ばれているわけではありません。
野球やサッカー、ゴルフのようなメジャースポーツでもありません。

世界チャンピオンのタイトルも、現実社会では何の価値もなかったのです。

しかし、ヨーヨーの業界においてこれより上のタイトルはありません。

僕はヨーヨーに対する情熱を失い、
無気力な日々をおくるようになりました。


大学を卒業した後、
「世界チャンピオン」だったはずの僕は
普通のサラリーマンとして一般企業に就職しました。

多くの人が「もったいない」とか「チャンスロスだ」と言ってくれましたが、
当時の僕には、残念ながらそれ以外の選択肢は無かったのです。

僕は『情熱』といったものを感じる時間を失い、
さらに無気力な日々をおくるようになり、
自分がいかにヨーヨーを愛していたか、ということに気付きました。


僕は、どのようにヨーヨーとつきあっていくか、
真剣に考えるようになりました。

そして、以前に観たとても印象的なビデオのことを思い出しました。
シルク・ドゥ・ソレイユの『ドラリオン』という作品です。

「これをヨーヨーでやりたい。
観た人を驚かせ、感動してもらえるような作品をヨーヨーで作りたい。」
そう思いました。

自分が、情熱の世界に再び戻ってきた事を感じました。

僕は会社を辞め、プロパフォーマーとして独立しました。


僕は再び練習に明け暮れ、シルクのビデオを何度も観ました。
そして2007年、今度はヨーヨー世界大会の芸術部門で優勝しました。

うれしかったですが、
これは今までとステータスが大きく変わったわけではありません。
「ヨーヨーの世界チャンピオン」というだけです。

では、次のステージは?
次の夢は?

答えは、シルク・ドゥ・ソレイユでした。


僕はクラシックバレエやジャズダンス、アクロバットなどを習い始めました。
技だけでなく体全体の動きをキレイにし、舞台での見栄えを良くするためです。

これは、自分にとって本当に驚きでした。

あれだけ運動嫌いだった自分がジムに通ったりダンスを習ったりするなんて、
子供の頃は全く想像できなかったからです。


これらの努力は、実を結びました。
2009年、僕はシルク・ドゥ・ソレイユのオーディションに合格することが出来ました。

本当にうれしかったです。

ただのヨーヨーがこの夢のステージまで連れてきてくれるなんて、
誰が想像できたでしょうか。

今はまだ、実際のショーに出演しているわけではありませんが、
明日がどうなるかなんて、誰にも分かりませんよね。


人生には、様々な困難が待ち受けていると思います。

しかし、僕がヨーヨーから学んだこと、それは、

本当にやりたいと心から思えることに対して
しっかりと情熱を持って取り組むことができたなら、
不可能なんてない、ということです。

夢見るだけではなく、自分自身で『行動』すれば、
幸せをその手につかむことがきっと出来ると思います。


最後に、僕のパフォーマンスを通して、
僕の情熱を皆さんと共有させていただいてもよろしいでしょうか?




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