「ブロンソン」(2008) 67点
以前はニコラス・ウィンディング・レフン監督作という事で一度見ました。
[その時の記事はこちら]
初回はさ、そのキレっぷりとトム・ハーディの顔芸に眼を奪われたんだけど、改めてブロンソンの知能の低さ(純真さとも言う)や動物的な生き方(正直者とも言う)に衝撃を受ける。
それをトムハに一人舞台で語らせる演出が、映画の知的レベル(または画的エンターテインメントレベル)を引き上げている。
実際、この見るからに筋肉馬鹿が、今までの彼の役の中で(科学者や刑事なんかより)一番知的に見える。
舞台俳優としての片鱗と、彼のアタマのカタチの良さがアリとあらゆる角度から見られるのは貴重。
あと、まだ身体に書いてある絵が少なめww
そして終始、彼の英国訛りとガニ股が堪能できる。
正に独壇場、トムハのプロモーション・ビデオ。
トムハの入れたお茶、是非頂きたいわww
(このシーン大好きww)
レフン監督特有のライティングの廊下や赤いカーテン、精神病院の体育館など…
コチラはデヴィッド・リンチ的でもあり。
シンメトリーの映像美…コチラはゴズリング監督に確実に伝承済みだが、ゴズのそれは完全なる左右対称なのに対し、本作はちょっと外した左右対称に近い画ヅラ。
監督としては、あえてやってるんだろうな。
まるで人間の顔のように、一見対称に見えて微妙にどこか違っている(歪んでいる)。
そして意図的に連続画像を遮断する障害物。
その異物感が、喉に刺さった魚の骨のようにいつまでも後に残る映画。