「スライ・ストーン」(2015) 65点

本来、ドキュメンタリーはあまり見ない。
たとえ本当の事を切り取ってみても、
それは実際の出来事の、ほんの一辺でしかないと思うから。

一方の言い分しか聴かない陪審員のような居心地の悪さが嫌い。
ワタシが映画に求めるのは、そんなモンじゃない。

……でもこの作品は趣が違った。
思うに、この作品は
三本軸の楽しみがある。まず
一本目は、従来のドキュメンタリーとしての楽しみ。これは“陽”の部分。
主役であるスライの生立ちから、いかにしてスターの座に着いたのか。
当時を知るバンドメンバーや実の娘たち、スタッフやプロデューサーなどが、彼の人となりを語っていく。
絶頂期のヒット曲や画像、フィルムが次々と流れ、その姿、声、ファンクミュージックに震える。


そして
二本目は“影”の部分。“迷”と言っても良いかもしれない。
1970年代後半からの低迷時代から、表立った活動は無く、マスコミや外界とは一切隔離された沈黙の日々…
その間、アルケマ監督はありとあらゆる手を使ってスライの行方を探るんですよ。遥か遠方の
オランダから何度も
渡米して…その様子はまるで犯罪スレスレのストーカー。
この時点で、よくこの作品を公表できたモンだと感心する。


そして、当の本人、スライは見つかるのか
生きている姿が確認されるのか
音楽人生はどうなったんだ
もぅこの辺では、
ツチノコか
ネッシーでも追ってるような気になって来る
ww
三本目は“笑”ww監督と同郷
オランダのスラヲタ=コニングズ兄弟が熱狂的ファンよろしくマシンガントークを繰広げる。それがさ、同じ顔ふたつで
(双子です
ww)もの凄い熱量×2倍
しかも、ど~見ても当時からのファンじゃない、後追いの年齢。
この二人が観客(ファン)の代弁者となり、スライの言動(たとえそれが関係者からの伝言だったとしても)に一喜一憂する様が微笑ましく、嬉しい



この
三本目の柱があったからこそ、他のドキュメンタリーとは一線を画してると思う。“ファン目線”

という
一方向からの主観である意義が大いに感じられる。
スライの行方を22年間追っていたという監督の根気にも敬服するが、「何故今
」という疑問にも納得のエンディング。
