「青、そして少しだけピンク」(2013) 62点

年間映画製作数が十数本という、希少なベネズエラ映画。
スペインの植民地であった歴史があるこの国は
スペイン語が公用語なのだな。
本国スペインよりはるかに治安が悪い、と
劇中の主人公も言っていた。
(本当に映画で初めて知る事柄は多い。)

フリーのカメラマンであり、ゲイであり、
一児の父親である主人公。

別れた妻に、離れて暮らす息子を
夏休みの間だけ、と無理矢理押し付けられ、
戸惑っている翌日に恋人が暴漢に襲われ、昏睡状態に陥てしまう。
父として、大人として、局面に立たされる主人公。
5年間疎遠だった父子の確執。

そして15歳のストレートの少年の目から見る
ゲイの父親とその友人たち。

考え方や容姿、常識や宗教が違うといって起こる差別。
ヘイトクライム……

社会問題てんこ盛りなクセに
嫌味なく、そつなく軽いタッチで進行する本作。
まるで彼らの生きる姿勢のようだ。
(見習いたい。)

終演後、美術家・ヴィヴィアン佐藤氏トークショーにて
「色だって青やピンクだけじゃない。その間のグラデーションだって無数にある」という言葉に大きく頷く。

自分の常識=世界の常識だと思ってしまう意識の狭さ。
異端なものに対する怖れや嫌悪…
ジャンルやカテゴリーではなく
個人対個人で向き合えば理解出来ると信じたい。
