こんにちは。数あるブログの中からご訪問あ りがとうございます。このブログは私の個人 的感想や経験なので1例として参考にしてい ただけたら幸いです。

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人間関係において距離感は大切だと長年切実に感じています。「近すぎず遠すぎず」が1番です。うちの母は昔から「人は人、われはわれ、されどみな仲良く」という武者小路実篤さんの言葉をよく言っていました。


この母からの言葉を私なりのアイデアで置き換えて心に留めて来ました。私は人間関係を「リングとリングの交わりの良い塩梅」に置き換えて実践しています。


リングを自分と相手に例えて考えます。自分は1つのリング相手は別のリングでもともとは独立したリングです。リング同士を少し重ねてみます。そしてリングの交わった部分を相手との親密度と考えます


出会った頃は2つ(あるいは複数)のリングの交わった部分は少ないはずです。相手のことをよく知らないし好きだと感じる部分も少ないでしょうし警戒心もあります。


ところが時が経ち相手を知ると親密さが増します。相手との距離感を一気に縮めようとします(相手も同じなら相手のリングも自分のリングに近づきます)。それがどんどん近づくと最終的にリングは1つになってしまいます。絶対にありえないのに自分と相手を一体化してしまうのです。


これは本当によくないことで、「依存」「管理」「監視」「支配」といった「負」のベクトルに動いていきます。互いに負のベクトルに動くときもあれば片方が負のベクトルに引っ張ろうとする場合もあります。結果としてお互いに全く別の人間ということを忘れたり考えなくなってしまうのです。


私はこの気持ちに陥りそうになるとき自分と相手はもともと「独立したリング」なのだと思い出すようにしています。けれども「独立したリング」と常に意識しておくことは難しいものなのです。


大学研究室では指導教官と院生(助手さんたちの場合もあるかもしれません)との距離感から生じる問題がよくあります。


指導教官から過剰な指導が入るか、逆に放ったらかされるかです。リングとリングの交わりのバランスがうまくいかないとこのような問題が生じるのだと私は思っています。ですが人間なのでそううまくいきません。


パワハラになるほどの怒りすぎもよくないですが、いけないことを放ったらかすこともよくありません。注意するだけでなく改善策も一緒に考えなければなりませんし、注意の仕方も考えなけばなりません。さらに一人一人の性格を考えてこれらのことを指導教官は先生として上司としてやっていかねばなりません。


うちのボスはこのリング理論をとてもうまく実践されていると常日頃私は感じています。でも、そのようにうまく実践するには毎日「この人にはこうがいいかな、ああがいいかな」と試行錯誤をしていらっしゃるはずです。私にもよく院生の状況について尋ねられるのでボス自身も「これでいい」と思わずに相手一人一人に対してボス的PDCAサイクルを考えておられるのでしょう。


うまく運営されている大学研究室の影にはこのような努力があるのではないかと思います。