こんにちは。数あるブログの中からご訪問あ りがとうございます。このブログは私の個人 的感想や経験なので1例として参考にしてい ただけたら幸いです。


以前の(といってもかなり昔のことですが)仕事先に女性の秘書課の上司がいました。


T課長(当時の役職)は洋裁畑出身で、お手製の素敵な洋服でよく出勤されていました。前衛的だけれどとてもおしゃれで振る舞いも洗練されていた方でした。

それによく気のつく方で会議中など絶妙なタイミングでお茶を交換されたり、コミュニケーションも得意で気難しい上司の扱いもとても上手だったので私は尊敬していまし、私のこともとても可愛がってくれていました。


ただ少し抜けたお茶目なところもあって、それが逆に親しみやすさを感じさせてくれていたのです。中でも英語が苦手だったT課長の英語に関する失敗談はとても可愛らしいエピソードとして私の記憶に残っています。


ある日出勤すると待ち構えていたかのようにT課長に腕をつかまれて給湯室に連れて行かれました。「朝からどうしたんですか?」と私が驚いて大きな声を出すと、「シー、静かに。秘密を握ってしまったかもしれないの、あなたにだけは言っておこうと思って。私になにかあったら警察に連絡してちょうだい」と切羽詰まった表情でおっしゃいました。


なんの秘密を握ったのかをまず聞き出さないと先に進めないと思い、パニックになっているT課長をとにかくなだめ落ち着かせ、T 課長は1枚の文書を見せてくれました。「ほら、一番上にトップシークレットって書いてあるでしょう?でもね、これ私宛だったのよ。どうして私が国家機密を渡されてしまったのかしら」と震えていたのです。たしかに宛名はT課長で、差出人はとある国のとある市でした。


トップシークレット文書が堂々と郵便で届くかなあとふと疑問に思い、もう1度文書を見せてもらいました。すると、トップシークレットではなく「Top secretaryトップセクレタリー 様」と書いてあるではないですか。T課長は秘書課の代表でしたので、トップセクレタリーといえばそういうことになります。なので秘書課長宛にきた単なる公式文書だということが判明しました(笑)。あとでわかったのですが、その市の代表の方が表敬訪問したいのでスケジュール調整をうちの秘書課の代表としたいといった内容だったようです。


T課長英語失敗談で記憶に残っているものがもう1つあります。大量に購入したとかで「Choco Pieチョコパイ」を近くの課の人に配っておられました。そのときT課長は「チョコピーどうぞ」とおっしゃっていました。受け取った人々もおそらく読み方を間違えてるなと思っていたと思いますが私も含め指摘せずにありがたくいただきました。


夕方に他の上司が「秘書課で柿ピー配ってたの?」とおっしゃいました。おそらくその上司は伝言ゲームの最後の方だったのでしょう。「チョコピー」は「柿ピー」という完全に別のオヤツとして伝わっていたのです(笑)。


もう疎遠になったT 課長ですが、今でもコンビニやスーパーで「チョコパイ」を見かけるとT課長のことを思い出し懐かしい気持ちになります。