こんにちは。数あるブログの中からご訪問あ りがとうございます。このブログは私の個人 的感想や経験なので1例として参考にしてい ただけたら幸いです。


ティーチングアシスタントを依頼する院生が苦戦するのが講義補佐より事務書類です。ティーチングアシスタントはその名の通り先生の講義の補佐業務なのですが、お給料がもらえる有償アシスタントもあります。うちのティーチングアシスタントも大学からお給料が出るので雇用契約を書類で交わさなければなりません。事務書類は紙媒体の場合と電子媒体の場合と受取及び作成(提出)が2通りあります。紙媒体の場合ボスか私から直接渡されるため、「受け取っていない」ということは起こりませんが、事務局から個人宛に直接メールなどで送られている場合、ボスと私は彼らがちゃんと開封して確認しているのか知ることはできません。雇用の書類業務はは2月中旬から3月末に集中します。ですのでできるだけこの期間は院生に事務局からメールが来ていないか確認するようにしています。受け取ったということであれば「じゃあ記入して提出お願いしますね」と終わるはずなのですが、ここからが問題なのです。


社会経験のある院生なら見慣れた書類でも、四年間の学生生活が終わってすぐに院に進学した学生にすれば学業では見たこともない書類を初めてみるわけです。私やボスからすれば「雇用契約」「勤務表」「扶養控除」など労務関係の書類はだいたいなにを答えなければいけないのか長年の社会経験からちょっと考えれば見当がつくのですが、そういった書類に縁のなかった学生にとっては書類に書かれている言葉がまるで魔法の呪文のように感じてしまうようです。いったい何をきかれているのか?まずはここから理解しないといけません。特に扶養控除については自分がまだ所帯を持っていない学生には扶養する人や扶養される人というのもピンとこないらしいのです。私が作成すればよいのかもしれませんが個人情報の部分があるので私一人ではできません。それならばそばについて説明しながら記入してもらうのが手っ取り早いのでは?と考えたのですが、私もあちらも忙しく時間が合わないのです(ズームでも同じ)。なのでマニュアルを見て自力で作成してもらい私とボスでチエックするという方法をとるしかないのですが、これが一回で完結とはいかないのです。彼らも慣れない作業のため間違いは必ず起こります。作成→チエック→修正→チエックをメールで繰り返すわけですが、だんだんお互いに疲労してしまいます。提出書類が複雑なのも問題なのでしょうが、今はそれは横においておいて、いずれ彼らも社会人になるので良い訓練になると思いこちらも忍耐強く付き合います。4月に年度が始まってしまえば書類もほとんどありませんし、学業に集中してもらえるのでそれまでの訓練期間として乗り越えてもらおうとこちらも必死で教示します。それに一回経験すれば書類作成は次からもう少し速く作成できるようになります(ティーチング・アシスタント2期目になると前回の書類をベースに修正したらよいものもあるので)。じゃあ慣れてきたら問題は起こらないのか?というと次なる課題は「期限内に提出」です。「期日遵守は当たり前だろう?」と思われるかもしれませんが、そこはまだ学生さん、学業に集中すると事務書類のことは忘れてしまうのです。そして事務局からボスと私が注意を受けて院生に教育するということが(書類だけでもないのですが)卒業していくまでに一人数回は勃発します。ただ不思議なもので2年間この事務的訓練に耐え抜くと(就活経験もプラスされているのでしょうが)卒業の頃には驚くほどしっかりとして旅立っていくのです。


大学院というのは研究をする場だけではなくて社会人として必要なことを訓練する場としてのニーズにも応えなければならなくなっています。その訓練の方が世の中にでたときすぐに役立つかもとボスと私は希望を持っています。旅立つ学生の背中を見て「立派になったもんだ」と感動するのが私(多分ボスも)の楽しみにもなっています。