こんにちは。数あるブログの中からご訪問あ りがとうございます。このブログは私の個人 的感想や経験なので1例として参考にしてい ただけたら幸いです。


「ゲストのことを事前に知る その①」の続きになります。もしお時間があればその①も合わせて読んでいただけたらと思います。※注 あくまでもその方と私に起こった体験なのでみなさんに当てはまるわけではないことご理解して読んでいただければと思います。


海外からのゲストプロフェッサー(以下ゲスト)と空港で対面でき、必要な分の通貨も日本円に交換し公共交通機関に乗り込んだはよいけれど車両事故で車内で2時間もゲストと二人で会話をしなければいけない状況になりましたと前回お話しました。有り難いことにゲストのずば抜けたトーク力とコミュ力のおかげで英語だけの会話でも2時間はあっという間に過ぎ、なんとか宿泊ホテルにチエックインするところまでこぎ着けました。初日はこれで終わりで、2日目から4日目の数日は予定されているスケジュールの合間を縫って観光や休憩をされていたというかんじです。私もべったりと同行するというよりは毎日タイミングを合わせて困ったことややってもらいたいことはないか?などの連絡をとり、助けを求められた時だけ駆けつけるという方法で対応しておりました。私も呼び出される時はどんなときかを事前に想像(想定)しており、例えば、会食の同行とか医者にかからねばならないときや銀行や衣類の補充をするための買い物などと勝手に思っていたのですが、日本人というのは本当に「オ・モ・テ・ナ・シ」精神があるので周りの方がほぼサポートをしてくれて私の出番はなく時は過ぎていきました。逆にどんなときに呼び出されたかと言うと、ご自身がなんらかの理由で馴染めない場面があって後で誰かに気持ちを吐き出したい(いわゆる愚痴りたい)ときでした。はじめてのアジアということで文化や習慣どころか、天候や(酸素という意味の)空気も異なるので辛いなと感じることがあっても自然なことだとおもいます。どうしようもないこととわかっていても、人って弱音を聞いてもらえたり辛さを共感してもらえる相手がいるだけでも救われる時ってありますよね。私はその役に徹するようにしていました。あとは意外とコンビニや自動販売機の使い方で呼び出されることも多かったです。一番驚かれたのは清涼飲料水などのペットボトルの大きさに種類があることで、中でも手のひらサイズのペットボトルには初日で感動されていました。「すぐに飲みきれるサイズでちょうどいいからこれを買いたい!」と自動販売機の前でおっしゃったのでやってみることにしました。その自動販売機は自動的にお釣りがでるタイプのものではなかったので、お釣りはレバーを下に降ろさないとでてきませんでした。五百円玉をいれた後でお釣りはどうなるのかと聞かれレバーの使い方と下からお釣りと飲み物が別々の箇所から出てくることを説明しました。「ハンディ」と言って、奥様へのお土産にとそのペットボトルを大切にスーツケースにしまわれていました。コンビニも自動販売機も便利なのですが、毎日の生活で使うことがないと便利なものを使いこなすまでの学習や訓練がいるもんなんだなと考えさせられました(私にとっての電子マネー)。

食についても食わず嫌いな食材もなかったようで生魚も食べおられましたし、私が同行せずとも楽しい会食を過ごされていたようで安心していました。


そんなこんなで最終日の夜の会食がやってきました。そこでハプニングが勃発したのです。その夜の会食は私も同行し、ゲストを入れて4人でのお仕事関係の小さな打ち上げの予定でした

。私の他の2名のかたもゲストとたまに行動を共にしていてゲストもこの2人をとても気に入っておられました。会食のお店はこじんまりしたやや高級な和食料理やさんで個室を用意していただけました

。コースではなく私以外の2人が率先してメニューを決めて注文するような流れで進んでいきました。最初は注文前にゲストに料理や食材の説明をして食べれるか確認してから注文していたました。しかし、お酒も入ってこの滞在の思い出話やゲストが家族のように大切にしている「馬」の話で盛り上がっているうちに確認することを忘れて料理が到着してから慌てて説明するという流れになってしまっていたのです。サラダ、刺し身、天ぷら、野菜の煮物、鳥の唐揚げあたりまではゲストも食べ慣れてきたのか疑問に思わずに「デリシャス!」と言って食べておられました。 、、が、「ある動物」の刺し身がでてくるとゲストはなにか感じたのか「これはなんの肉の刺し身?」といきなり質問されたのです。ゲストの脳内で「食べてはいけないレーダー」が作動したかのように急に箸を置かれじっとそれを見つめていました。2回目に同じ質問をされたとき私は、その刺し身の動物はゲストにとって家族同樣だったという情報を思い出しどう答えるべきか迷いました。ゲストの怒りを恐れるあまり嘘をついてゲストの食べれるもので言い換えてやり過ごすことも頭をよぎりましたが、理由もきちんと聞いて相手の考えを理解したうえでこちらも食文化などありのままを説明しようと判断しました。おそらく今回のハプニングは国柄とか宗教ということではなく、その人の「考え方」や「価値観」から生じるものだと思います。やはりゲストは私の予想通りの理由を述べましたが、食べようとはしてくれました。しかし、私はゲストに食べたくないからと言って咎められる理由はないと伝えました。何度もゲストは「本当?食べなくてもいいの?失礼ではない?」と私に確認してくれましたが、「あなたが責められるのはおかしいし、そんなことで誰もあなたを責めません」と答えました。ゲストは「家族みたいなんだ本当に。この刺し身に罪はないのはわかるんだけど」と涙ぐんでおられました。他のお2人も何度も謝られていましたが、その後はゲストも気持ちを取り戻し楽しい晩餐になりました。

帰国日当日1人で帰れるからということで空港に向かう電車の駅のホームまで私がお見送りしました。帰国されたあとゲストからのお礼のメールには「ハンデイ」ペットボトルを持つ奥様の写真が添付されていました👍


文化や宗教については調べればわかることも多いですが、個人の価値観というのはじっくり話す時間がないとわからないものです。ただ、ビジネスシーンだと時間も限られている中で他人の価値観を知るのは難しいです。だからこそ「自分と他人は違う考えをもっている」を前提にその都度恐れず確認したほうが重大なハプニングにならずにすむのではないかと思えた貴重な体験でした。