一代で売上高6兆円の巨大企業グループを造り上げた希代の経営者、孫正義氏の手法は「ワープ」。

ソフトバンクが創業30年を迎えた2010年のこと。
孫社長は、「私の現役時代最後の大ボラ」「30年に1回の大ボラ」として
「新30年ビジョン」を発表しました。
孫社長は、ソフトバンクの30年後の目標は時価総額200兆円、世界トップ10の会社になることだと宣言したのです。
当時の時価総額は3兆円、世界ではなく日本で14位・・・
ちなみに、日本の時価総額ランキング1位はトヨタ自動車の11.1兆円。以下、2位が三菱UFJの約6.1兆円、3位がNTTドコモの約6兆円・・・
と、まだ日本のトップ10にも入っていなかった。まさに大風呂敷の目標でした。
自分の背丈よりも高い目標を公言する。
それを人々は「大風呂敷」な目標と言います。
他人から見て「大風呂敷」でも、自分の自信の範囲であれば有言実行を目指す。
そこまで自分を追い込まないと、普通の人生で終わってしまう。経営者だったら普通の会社で終わる。
それが孫正義という経営者の考え方なのでしょう。
その後株価は上昇し、2014年11月現在、ソフトバンクの時価総額は約9兆円となっているようです。
[時価総額を10年間で5倍にすること]を後継者の条件としているソフトバンクにおいて、今、後継社長となったとすると、時価総額を2024年までに45兆円にすることがノルマとなります。
現在日本一であるトヨタ自動車の約25兆円をはるかに抜いて、ターゲットは「世界」となるほどにフェーズが変わったのです。
孫社長は19歳のときに、人生計画を作りました。
「20代で事業を興し、30代で資金を稼ぎ、40代で勝負し、50代で仕事を成し遂げ、60代で継承させよう」というものです。
40代終わりの48歳のとき、ボーダフォン買収という一勝負をしました。
56歳でスプリント買収を果たし、アメリカに進出しました。
お客様の数で、日本に3,900万人、アメリカに約6,000万人と約1億となり、NTTドコモを抜いています。
人生計画どおりなのです。
ドコモを上回ったといっても、スプリント買収という飛び道具じゃないか。そんなことでいいのか、という声も聞こえてきました。
でも、この批判に対する孫社長の答えはこうでした。
「そんなんでいいんだ!」
孫社長は言います。
「体が小さかったらかかとの高い靴を履け。高いところだったらハシゴをかけろ。あらゆる知恵を活かして、なんでもいいから夢をつかみにいく」
ソフトバンクのM&A戦略は目標達成への「ワープ」である。
スプリントの買収にせよ、ボーダフォン買収にせよ、ソフトバンクはM&Aによって一から事業を立ち上げる時間を買ってきたのです。
成長というと、多くの人は少しずつ力をつけていくことを考えます。
もちろんそれは大事です。
だけど、10年で時価総額を5倍にするというような大風呂敷な目標を達成するには、
「ワープ」は欠かせません。
後継者はどんなことがあっても目標を達成するという執念と、「ワープ」の手法=M&Aを考え出す知恵を持っていることが条件となります。
孫社長の目は、アメリカからインドに向けられています。
インドは25歳未満の人が約5割。ソフトウエアの開発者が520万人と世界最多。
2030年代中ごろには、インドはGDPでアメリカを抜いていく。
ソフトバンクは、これから10年間で1兆円以上をインドに投資していくでしょう。
その中から第2、第3のアリババが出てくるに違いありません。
「次は、インド」と孫社長は燃えているらしいです。