「悪夢」を有権者は忘れていない  | 尾張エクセルの「日々精進ブログ」

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9月23日、立憲民主党の新たな党代表に選出された野田佳彦元首相は、論戦や演説の
「名手」として知られる。直近で注目されたのは、2022年9月に国会で行われた
安倍晋三元首相への追悼演説。2012年11月、野党自民党総裁だった安倍氏との
党首討論時に電撃解散宣言をして、結果的に惨敗して政権を奪われた「敵」への率直
な心境を綴り、与野党を超えて共感を呼んだ。
また、13年前の2011年8月の民主党代表選で言及して、その後は代名詞になった
「ドジョウ演説」など、野田氏には言葉にまつわるエピソードが多い。
立憲民主党は旧民主党時代から、代表選当日に、最後の決意表明演説を行う。今回は
1人6分。ドジョウ演説のように投票先を決めかねている議員への「最後の一押し」
になることもあり、各候補とも演説内容を練り上げる。今回 ドジョウ演説のような
内容になるのか注目していたが、野田氏が語ったのは、ドジョウでなく「アサガオ」
であった。
1993年に初当選し、再選を目指して出馬した1996年衆院選では落選。4年間
浪人生活を送ったことに触れた野田氏は、出席した朝食会でアサガオの話題になった
際に、朝方咲くために必要な要件を、自分は「太陽の光り」と考えたところ、「日が
昇る前の夜の闇、夜の冷たさこそが大事」という展開になったと明かした。
「アサガオは早朝にかれんな花を咲かせるが、一番花を咲かせるための大事な要件は
何か。『日が昇る前の夜の闇と夜の冷たさこそが 一番大事である』。立憲民主党で、
強い自民・公明党と戦い、勝ち続けている人は殆んどいません。われわれは夜の闇と
夜の冷たさを知っている」
「夜の闇や冷たさを知ってこそ、ぬくもりがうれしい」と納得したと述べ、「我々は
夜の闇と夜の冷たさを知っている。そこで積み上げてきた政策こそ、今の時代の要請
ではないか」と、自民党と戦う同僚たちを奮い立たせるように、政権交代への決意を
示した。
久しぶりに「党の顔」として国会論戦の先頭に立つ野田氏の、腹の底から響く声で
つむがれる言葉は「ドスン・パンチ」と呼ばれる。その言葉は、本日;9月27日
に選ばれる自民党総裁にどんな内容で浴びせられることになるのだろうか。
 
小生が愛読する産経新聞9月26日付けの朝刊コラム【産経抄】から、一部抜粋の
うえで引用加筆して紹介する。
万葉集に山上憶良の知られた歌がある。<萩(はぎ)の花 尾花 葛花 なでしこ
の花 をみなへし また藤袴(ふじばかま) 朝貌(あさがお)の花>。
これで「秋の七草」を覚えた人も多いだろう。尾花はススキのこと。夏を思わせる
「アサガオ」があるのはなぜか。
先の歌が詠まれた時代は、「朝貌(朝顔)」といえば キキョウ、あるいはムクゲを
指したらしい。ムクゲは「木槿」と書く。アサガオと同じく 朝に開いて、夕方には
しぼむ一日花として知られる。
「朝顔の花一時(ひととき)」と「槿花(きんか)一朝の夢」は、物事のはかなさ
を例えた言い回しである。
立憲民主党の代表選を制した野田佳彦元首相は、1回目の投票を前にした演説にて、
アサガオを持ち出して、党の結束を呼びかけていた。花が開くために必要なものは、
「日が当たる前の夜の闇と、夜の冷たさ」だ。われわれはそれを知っている―と。

世界銀行の「女性・ビジネス・法律」リポートは、女性の経済的な自立の観点から

法的基盤の国際比較を行う。日本は、1980年時点にて 欧米諸国と大きく遜色は

なかったが、改革が停滞して、2020年には大きく劣後してしまった。

立憲民主党の源流である旧民主党は、野田氏が代表だった12年前に下野している。
「夜」は、風雪に耐えたその後の歳月を指すらしい。政権を担うにふさわしい力を
つけたと言いたげだが、国家と国民の安全を守る上での、必要な「国家観」は実に
頼りない。
集団的自衛権の限定行使容認に、野田氏ら4人の候補者は「違憲」との認識を示し
ていた。憲法改正にも及び腰だ。内政に外交に、失点続きで退場した時代への猛省
はうかがえない。野田氏は、「本気で政権を取りに行く」と言う前に、健全な国家
観を掲げるのが先ではないか。
日々新たな花を開くアサガオならまだしも、「新代表=元首相」の図式に党の鮮度
を覚えるほど、有権者は甘くない。旧民主党政権の不手際は、国民に悪夢の記憶を
残し、政権選択肢としての立民への期待をしぼませた。
「夜の闇」で済ませてもらっては、困る。