佐渡金山の世界遺産登録に… | 尾張エクセルの「日々精進ブログ」

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「国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産委員会」は7月27日、「佐渡島(さど)
の金山」の、世界文化遺産への登録を決めた。日本の文化遺産としては21件目であって、
自然遺産も合わせた世界遺産は26件となった。
ユネスコの諮問機関は去る6月、日本に対し登録内容の一部修正などを求める「情報照会」
を勧告していた。
政府や地元自治体は 明治以降の史跡が多い地区の除外といった要請を受け入れて、今回の
審査に臨み、世界遺産委員会ではこうした対応が評価された。
世界遺産委員会は、「世界の他の地域で採鉱などの機械化が進んだ時代に 高度な手工業を
継続したアジアにおける他に類を見ない事例」と評価した。
佐渡金山を巡っては委員国でもある韓国が「朝鮮半島出身者の強制労働があった」として、
登録に反対していた経緯がある。
歴史的経緯から、当初は韓国側が猛反発する一方で、安倍晋三元総理は 登録を強硬に主張
していた。政権基盤が弱い岸田文雄首相にとっては、最大限に神経を使う「安倍案件」の
一つだった。最終的には韓国も登録に賛成するなど「軟着陸」できた背景に何があったか。
日本側が、佐渡市内の博物館で 朝鮮半島出身者を含む鉱山の労働者に関する新たな展示を
始めることなどを決め、韓国側と合意に至って、7月27日の世界遺産委員会では、韓国
を含む全会一致で登録が決議された。
文化庁の資料によると、鉱山の開発は古代から世界各地で手工業によって行われ、大航海
時代を迎えた15〜16世紀は、欧州を中心に機械化が進んだ。鉱石の運搬や排水などに
機械を導入。化学薬品の使用も広がった。
一方で、佐渡金山は江戸幕府の下で本格的に開発が始まって、鎖国政策が敷かれるなかで
諸外国との交流を制限された結果、手工業の金生産システムが 19世紀半ばまで続いた。
江戸幕府は国内各地から技術者を集めて、生産技術の向上をはかった。
17世紀前半には世界の2割の金を日本が生産して、国内の半分を佐渡島で産出するなど、
国際的にも認知度が高かった由。純度は99.54%までに到達した。
 
小生が愛読する産経新聞の朝刊コラム【産経抄】から一部加筆のうえで引用して紹介する。
日本が国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界文化遺産に推薦した新潟県の「佐渡島の
金山」の登録が、ようやく実現したようである。「朝鮮半島出身者の強制労働があった」
と 主張してきた韓国との間でほぼ合意できた為で それ自体は慶事だが、どこかすっきり
しない。
2015年の「長崎県の端島炭坑(通称・軍艦島)の世界文化遺産登録時」のことである。
韓国は日韓外相会談での合意を無視して世界遺産委員会の声明案に、日本が否定する強制
労働の文言を ひそかに2か所盛り込ませようとした。日本側の猛抗議で、韓国は声明案を
合意通りに修正したものの、危なかった。 
今回、韓国の外交当局者は合意の見通しとなった理由を韓国内で次のように説明している。
いわく、日本の植民地時代に「朝鮮半島出身者が強制労働させられた現場」であり、韓国
は「全体の歴史」が忠実に反映されなければならない…との立場を示した。日本がこれを
約束し、実質的な措置を取った…。
一方、日本政府は令和3年4月、朝鮮半島出身者が強制労働させられたかどうかに関する
答弁書を閣議で決定している。「募集、官斡旋(あっせん)および徴用による労務はいず
れも条約上の強制労働には該当しない」。これが政府の公式見解である。
韓国は強制労働させられたという思い込みに固執し、日本は強制労働ではないと断りつつ
も相手の立場を忖度する。かくて見る角度で色彩が変わる玉虫色の決着が繰り返される。
佐渡島の金山でも同様に、曖昧な着地点を探ったのか。
慰安婦問題が ああもこじれたのはなぜか。「どうか強制性を認めてくれ」という韓国の
強い要請を受け入れ、証拠もないのに河野洋平官房長官談話を作ったためである。この
貴重な教訓を生かしたい。