日経新聞6月1日付けの朝刊の「プラス1」に掲載された「人生に役立つ相場格言」から
の加筆引用である。 |
金融相場で長年にわたって共有されてきた投資の格言。山あり谷ありの修羅場でもまれて
おり、人生の大きな決断に生かせるものも少なくない。
人生にも役立ちそうな格言を選んで紹介する。「相場の見方つかみ方編」である。 |
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【相場は相場に聞け】
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240612/21/office-sugimoto/e5/06/j/o1280072015450745654.jpg?caw=800)
相場に素直に向き合う |
相場は、あらゆる材料を織り込んで動く。相場の行方は分かりにくいので、自分の考えや
予想を押し通すと失敗することがある。 |
相場はアマノジャクであり、人が考えているとおりには、なかなか動いてくれない。理屈
では割り切れない、いわゆる「理外の理」で動くものであって、それが「相場は生きもの」と
いわれるゆえんでもある。 |
「自分が下した判断だから」といって、これにこだわり過ぎ、或いは意地を張っていては、
大きな痛手を受けることになりかねない。相場のゆくえは、相場だけが知っている。
ここは、素直に相場に従うべきだという教えである。 |
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【買いにくい相場は高い】
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240612/21/office-sugimoto/24/82/j/o0300018015450745386.jpg?caw=800)
株価が高いからといってその銘柄を買うことを避けているトレーダーを諫めるもの |
日本人は 買い物が下手だといわれる。その典型が「安物買いの銭失い」である。これは一面
からいうと、買い物の無計画性を示すものであり、お金の価値をしっかりと掴んでいない
から起こるものと見てよさそうだ。 |
株式投資においても、この傾向は多い。「安いから」というただそれだけの理由で、株式
を買う人がいる。むろん、相場全体の水準が極めて安いところにある場合には、この投資
方法でかまわない。しかし、普通のときに 特定のある株式だけが安値にあるからといって
無条件で買うと、思惑どおりにいかないことが多いのである。 |
というのは、株価が安いところに置かれているのには、それなりの事情がある。事業その
ものの見通しが立たず、業績推移が思わしくない、元来が人気のつきにくいものである等
の理由だ。したがって、「安値はいつまでたっても安値のままで放置される」ことになる。
こういう株式を買うと、長い間に飽きがきて、大抵は投げ出さざるを得ない羽目に陥る。 |
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【行き過ぎもまた相場】
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240612/21/office-sugimoto/8c/d3/j/o1280072015450745125.jpg?caw=800)
株式市場において株価が予測できない位大きく上昇したり、その反対にパニックレベルで
暴落が起こったりすること |
物事には、動があればその反動がある。株式相場でも、人気が過熱気味で上に行き過ぎた
ときには、その後の下げもきつい。いわば、妥当と見られた水準を上向った分だけ、下げ
のときも予想をさらに下回ることになる。いってみれば“相場の勢い”である。 |
従って、「どの指標を見ても、どう試算しても、これ以上株価が高くなるはずはない」と
いってみたところでも、現実に株価はこの予想を上回ってしまう。ちょうど、スピードを
出して走ってきた自動車が、急ブレーキをかけてもすぐに止まれないようなものである。 |
勢いがついているものは、結局、行きつくところまで行かなければおさまりがつかない。
それも相場のうちであることと知っておくべきだというのが、この「行き過ぎもまた相場」
という言葉である。同時に、行き過ぎがあれば、その分は反動を覚悟しなければならない
ことも教えている。 |
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【閑散に売りなし】
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240612/21/office-sugimoto/0c/b1/j/o0474038515450744742.jpg?caw=800)
相場の出来高や売買代金が低調な時は、売りは得策ではないこと |
大きな動きを繰り返した後、相場が上にも下にも行かず、「無風状態」になることがある。
これを保合(もちあ)いという。保合いも 最初のうちは売買量が伴って、多少は相場の
エネルギーも感じさせるが、次第に振幅がなくなるにつれて商いが細っていく。ついには
パッタリと株価が動かなくなる。
株価が動かなければ、売ろうにも買おうにも手の出しようがなく、従って 市場は閑古鳥が
鳴くような寂しさとなる。 |
こういう状態が長く続けば大抵の人は嫌気がさし、持ち株があれば投げ出したくなるのだ。
つまり、弱気色が市場に満ちてくる訳である。そこにつけ込んで、わざと 売ってくる人も
あって、相場は再び下げ歩調となる。 |
しかし、相場自体の趨勢として下げたものではなくて、いわば「人為的に売り叩いた結果と
しての下げ」だから、いったん売り物が一巡すると急激に反騰することが多い。 |
「閑散に売りなし」とは、そういう状況でうっかり売り込む愚を避けることを教えたものだ。 |