「トケマッチ」社のシェアビジネス詐欺に… | 尾張エクセルの「日々精進ブログ」

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所有者から預かった高級腕時計を貸し出すシェアリングサービス;「トケマッチ」の
運営会社元代表が業務上横領容疑で指名手配された事件で、返却されていない時計は
元代表が出国した1月に集中して売却されていたことが明らかになった。
警視庁では海外逃亡を計画した上で一斉に売却したものとみており、組織性の有無も
捜査している。
「トケマッチ」を運営していた合同会社「ネオリバース」社(大阪市)は、去る1月
31日に解散を発表。元代表の福原敬済容疑者(42歳)は同日に成田空港からドバイ
へ出国した。直前にキャンペーンを実施して、多くの時計を集めていた。
捜査関係者によると、警視庁が被害届を受理したり、相談を受けたりしている所有者
の時計は大阪,東京など複数の都府県で売却されており、1月に集中していた。
会社のホームページなどによると、「トケマッチ」は腕時計の査定額に応じた使用料
を所有者に毎月支払い、利用者からレンタル料を受け取る仕組みだった。
 
小生が愛読する日経新聞3月8日付けの朝刊コラム;【春秋】から、一部加筆の上で
引用して紹介する。
ビジネス記事で「シェア」といえば、かつては概ね市場占有率を指すのが普通だった。
「××業界でシェア首位企業が交代」とか、「△△業界でシェア争いが激化」といった
具合だ。どちらかといえば、猛々しいイメージの言葉だろうか。それが、いつ頃から
か変わったようである。
大皿料理が多い「イタリアン」が流行して、「一つの料理を皆で仲良く分けあうことを
シェアと呼ぶ」ようになった。
経済記事では、2010年に翻訳された「シェア〈共有〉からビジネスを生みだす新戦
略(NHK出版)」の影響が大きい。車,家,語学の能力といったものを 消費者同士で
共有・交換する時代が来ると説いた本である。
シェア経済は「20世紀が育んだ消費文化へのカウンター(対抗)」になると監修者の
解説にある。自宅に旅人を泊める「民泊」、中古品のネット売買などの「モノや空間の
シェア」は進んだ。
一方では「商品が届かない」といった相談が国民生活センターに寄せられているという。
先日、シェアリングサービス会社「トケマッチ」の元代表福原容疑者が指名手配された。
「所有者から預かった高級腕時計を貸し出す」と言いつつ、「勝手に売却した」疑いが
かけられている。理想をうたったシェア経済圏も、「シェア争い」時代のギラギラした
空気に包まれつつあるのか。
同じモノを共有することで、同好の士と友達になれる…。そんな未来像が語られていた
「シェア経済の黎明(れいめい)期」を懐かしく感じる。