今こそウクライナを強力に支援せよ | 尾張エクセルの「日々精進ブログ」

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木曽の清流に映え、心触れ合う躍動都市;愛知県一宮市に活動拠点を置く、尾張エクセルです。保守政権を応援しつつ、経済・社会・軍事防衛まで、地域や国内、海外の気になる出来事や話題を、独断と偏見溢れる一味違った目線でブログ提供します。

日本とウクライナ両政府は1月19日に、経団連会館で経済復興推進会議を開いた。
この経済復興推進会議では民間主導の復興を打ち出した。両国の企業などが農業やイン
フラ支援を柱に56の協力文書を交わした。
ロシアの侵攻からおよそ2年が経過し、戦況は膠着している。支援に制約のある日本は
官民一体でウクライナを支える姿勢を示した。日本はウクライナの復旧・復興の支援に
携わる企業や団体関係者を対象に、渡航制限も一部緩和した。租税条約の締結や投資協
定の交渉を通じ、ビジネス往来を後押しする。

岸田首相は会議の基調講演で「日本ならではの貢献を進める」と訴えた。「農業,製造

業,IT(情報技術)産業など網羅的経済発展を目指し、官民一体で強力に支援する」

と強調した。

ロシアによるウクライナ侵攻は収束の兆しがなお見えない。日本が「官民での復旧・復

興」を内外に示すのは、憲法上の制約が背景にある。殺傷能力を持つ武器は提供できず、

支援策には限りがあるためだという。「平和国家;日本」を隠れ蓑にしているのだろう。

しかし、日本にもできる「間接軍事援助」はあるはずだ。
今こそ、クライナに強力な支援を実施すべきなのであると、小生は考える。

​​​​​小生も正会員である公益財団法人「国基研:国家基本問題研究所」の「今週の直言」に
去る2月13日付けで、国基研企画委員で麗澤大学特別教授の織田邦男元空将が以下の
論文を掲載されたので、一部加筆の上で、今回のブログにて紹介する。
去る1月14日、ロシアの早期警戒機「A50(メインステイ)」が、ウクライナ南東
のアゾフ海上空でウクライナ軍の対空ミサイルによって撃墜された。
日本ではあまり報道されていないが、外国メディアは この日をロシア軍の「暗黒の日」
と伝えた。「A50」 が撃墜された軍事的意味は大きい。
「A50」は、半径650km以内の航空機を発見し、半径300km内の地上目標を
探知できる。ロシアの対ウクライナ軍事作戦には欠かせない装備である。
米軍の「空中警戒管制機(AWACS)E3」に相当するが、「E3」が 空中目標だけを
対象とするのに対して、「A50」は地上目標も対象にするのである。米軍の地上目標
専用の「早期警戒機E8(ジョイントスターズ)」の機能を兼ね備えた装備である。
<早期警戒機撃墜で戦況変化も>
西側情報筋によると、開戦前、ロシアは「A50」を6~9機保有しているが、故障が
多く稼働率は5割以下といわれる。昨年2月にはウクライナによるドローン攻撃で1機
を地上で失っている。
制空権獲得、対地攻撃、空地連携などの作戦には不可欠で、しかも数が少なく、高価で
あるため、ロシア軍にとっていわば「虎の子」である。
これを新たに1機失ったこと、特に十数名の熟練クルーを同時に失ったことは、ロシア
軍にとって大きな痛手となる。
ウクライナ軍は二つの致命的な弱点を抱える。「制空権を獲得できない」ことと、「外
国の武器弾薬支援に大きく依存している」ことである。
今年の夏には「F16」戦闘機約40機が「北大西洋条約機構(NATO)」諸国から
ウクライナに供与される。これが戦力化されると弱点が補強され、戦況は大きく変わる
可能性がある。
ロシア軍は「F16」が戦力化される前に、これを地上で壊滅させようとするであろう。
この作戦に「A50」は欠かせない。
米国からの武器弾薬の支援は、議会で予算が通らずにストップをしているが、「欧州連
合(EU)」は4年間で総額500億€(約8兆円)の支援を決めた。
支援物資が現場に届く前に地上で叩くことが作戦の常道である。この作戦にも「A50」
は必須である。
今回の撃墜で、ロシア軍による「A50」の24時間運用はますます困難となり、警戒
監視に空白が生じることが予想される。
ウクライナ軍は当然その間隙を突いて行動するだろう。ここに一筋の光明が差す。
<日本ができる間接軍事援助>
日本は、この一筋の光明を増幅すべく、今こそウクライナに強力な支援を実施すべきな
のである。
先ずは、昨年末の防衛装備移転三原則の運用指針改正で、米国への輸出が可能になった
ライセンス生産品の地対空ミサイル「パトリオット2(PAC2)」を大幅に増産して、
対米輸出を継続することだ。
ウクライナへの軍事支援で足りなくなった米軍の備蓄を日本からの輸出で補えば、日本
にとって間接的な対ウクライナ軍事支援となる。同様なやり方で砲弾の支援も検討すべ
きだろう。
ウクライナ戦争は、ロシアの「力による現状変更」;つまり明白な侵略戦争なのである。
これを成功させれば国際秩序は崩壊する。
中共による台湾侵攻、尖閣、沖縄への侵略を促す可能性もある。日本は あらゆる支援を
検討し、ロシアに勝たせてはならないのだ。