「防災・減災」実現のために住宅の耐震強化施策を! | 尾張エクセルの「日々精進ブログ」

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木曽の清流に映え、心触れ合う躍動都市;愛知県一宮市に活動拠点を置く、尾張エクセルです。保守政権を応援しつつ、経済・社会・軍事防衛まで、地域や国内、海外の気になる出来事や話題を、独断と偏見溢れる一味違った目線でブログ提供します。

今年の元日に発生した「能登半島地震」に伴う石川県内住宅被害(全半壊・一部損壊)は
6万棟超に上るという。このうち被害が大きかった珠洲市では全壊が3600棟を超えて
輪島市でも2千棟以上が全壊した。古い住宅の倒壊と、それによって亡くなられた住民の
多さが際立っている。
1981(昭和56)年施行の「新耐震基準」が導入されてない住宅は、阪神・淡路大震
災や熊本地震などでも倒壊が相次ぎ、問題になってきた。そのリスクを再認識させられる
かたちとなったようである。
能登半島地震での240人を超す死者のうちで、警察が調査した222人の死因は圧死が
92人で41%、窒息・呼吸不全が49人で22%だったという。
いずれも、倒壊家屋の下敷きになったとみられる。壊れた建物に挟まれ身動きが取れずに、
寒さが影響して亡くなったとみられる低体温症・凍死も14%に上った。また年齢が判明
した犠牲者の7割超は60代以上だった由。いったい どれほど過酷な状況だっただろう。
その苦しみと無念は想像を絶する。
地方、特に郡部では、人口減少や高齢化が進んでいるのであって、住宅の耐震化が遅れて
いるのが現実だろう。しかし地震列島の日本では、これを改善していかないことには同じ
悲劇が繰り返される恐れがあるのだ。
地震大国である日本は、住宅の耐震強度を高める必要に迫られている。「最大震度7」を
観測した能登半島地震は、この深刻な課題を改めて突き付けたと言えるだろう。政府及び
自治体は、法令整備を含む新たな施策づくりを急ぐべきだと思う。

 

わが国初の「耐震基準」は、「関東大震災」翌年の1924(大正13)年に定められて、
1981(昭和56)年施行の「新耐震基準」では、「震度7でも倒れない」とされた。
さらに1995(平成7)年の「阪神淡路大震災」を受けて、2000(平成12)年に
は一部が見直された。
それでも、専門家は「1度の大きな地震に耐えられる基準に過ぎない」と、本震後も続く
揺れへの警鐘を鳴らす。
「能登半島地震」で全半壊被害が多かった石川県珠洲市では、「震度5強程度で、殆んど
損傷しない」とされる 1980(昭和55)年までの「旧耐震基準」で建てられた住宅が
6割台に上ったという。耐震性が低い、古い住宅が倒壊し、古い住宅に住んでいる場合が
多い高齢者が犠牲になる。地震災害の一つの現実といってもよいだろう。
また、2016(平成28)年の「熊本地震」では、「想定外とされた2度の震度7」に
見舞われて、今回の地震と同じように壊滅的な住宅倒壊の光景が広がった。
被害が甚大であった熊本県益城町では、中心部の約150戸のうちで 倒壊した6割超が、
1981(昭和56)年の「新耐震基準」で建てられていたそうである。さらに2000
年の基準で建設した住宅も3割近くあった由。ということは、現行基準の限界は明らかだ。
6400人を超える犠牲者が出た阪神・淡路大震災では、死因の8割が倒壊建物による圧
死だったという結果を受けて、「耐震改修促進法」が施行されて、耐震補強や屋根の軽量
化を中心に国と自治体が助成しているという。しかし、200万円程度は 必要な補修費に
対して、助成の上限は数十万円にとどまる場合が多いという。
この「耐震改修促進法」の内容は、大地震が多発するという現実に見合っているのだろう
か。未然に耐震強化を進めなければ、倒壊の悲劇は繰り返されることになる。
 
小生は先週;2月8日に開催されたハウスメーカーのオーナーズクラブ全国会に参加した
ときに、ハウスメーカー側からの「住宅の耐震強化」についてのレクチャーを受けた。

また、翌日の2月9日には、神戸市の「阪神淡路大震災記念~人と防災未来センター」を
見学させていただき、「防災・減災」実現のために必要な情報に接することができた。
東海地方では、幸いなことに最近は大地震がないのであるが、やがて必ず起きるであろう
地震対策のために、賃貸住宅経営を行っている事業者としても、覚悟が必要であると改め
て決意をした次第である。
全国で2千とされる活断層のうち、マグニチュード7程度の大地震を起こす可能性がある
のは100に上るという。
国土の狭い日本では、活断層上の建築制限などを一律に設けるのは不可能だろうが、危険
度毎に地域指定し、耐震強化の公的助成を順次行う等の対策が現実的ではないだろうか。