相変わらず、核抑止論を拒絶する日本の新聞 | 尾張エクセルの「日々精進ブログ」

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やはりであるが、残念なことに、「日本の新聞の殆んどは、今回の広島サミットにおいて
核廃絶を強く主張していた」ようでである。
そうした中で、最も「核廃絶に異を唱えていたのは、日経新聞」であり、これは実に意外
であった。もちろん、読売新聞・産経新聞も核抑止論を支持しているのだが、社説では
それを真正面から取り上げてはいなかった。
それらに対して、日経新聞は、「『広島ビジョン』で、核軍縮の機運を再び」という題名で、
核軍縮論を正面から取り上げていた。一部を抜粋して紹介しよう。

“核軍縮の共同文書としてG7首脳は「広島ビジョン」をまとめた。核兵器不使用の継続や

中共を念頭に核戦力の透明性向上のためのデータ共有,非核保有国との対話促進など

を打ち出した。

ロシアは核の威嚇を繰り返し、中共や北朝鮮は 核戦力の増強を加速させている。残念

ながら、日本が米国に頼る核抑止力の重要性は高まっている。この状況で「広島ビジョ

ン」で示した取り組みは当面の現実的な方策といえる。

中長期的には、核軍縮で中心的な役割を果たすべき「核拡散防止条約(NPT)体制」を

立て直す努力が要る。「NPT再検討会議」は2015年、2022年と2回続けて決裂して

最終文書案を採択できずに終わった。

「NPT」は核軍縮に向けた誠実な交渉に臨むよう核保有国に義務付けている。ロシアは

米国と結ぶ「新戦略兵器削減条約(新START)の履行停止を撤回すべきだ。この条約は

世界の安定に寄与するだけでなく、米国との戦力の均衡を維持する点において、ロシア

にもメリットがあるはずだ。”

 


そもそも、『核廃絶』と『核軍縮』とは、一見 似ているようには見えるものの、実は 「全く
異なった概念」
なのである。
前者の「核廃絶」の場合は、文字通り 「米国を含めた西側諸国が、核を保持することを
やめる」ことであり、仮にこれが実現した場合、例えば「米国,英国,フランスが核兵器
禁止条約を批准したとしたら、世界は恐怖のどん底にはまり込む」
ことになる。何故なら
「中共,ロシア,北朝鮮等のみが核兵器を持つ」という、異様な世界になるからである。
これに対して、後者の「核軍縮」の場合は、「各国の核のバランス」が重視される。当然
のことながら、ロシアや中共がある程度の核を保持しているのであれば、西側諸国側も
それに見合った核保持が許容される。この場合、「『核軍縮』の基準は、ロシアや中共の
核兵器の規模」ということになる。
「『核軍縮』は、建て前論に終止することも可能であり、要するに『やるやる詐欺』である」
とも言えるのだろう。
「核廃絶を求める新聞」で矛盾しているのは、「ロシア,中共,北朝鮮等が明らかに核兵
器を保持し続けて、その使用をちらつかせている」にも関わらず、「では日本はどう対処
したらよいのか?」という問いへの答えが全くないことにあるのだ。その究極の答えが、
共産党による「何事も話し合いで…」であるのだろうが。
ロシアや中共は、核兵器で西側諸国を脅し続けています、でも 世界からは、核をなくし
ましょう
」という論理は成り立たないのである。

 
 
このように、「日本の新聞は相変わらず、非現実的な建て前論」に終止している。「早晩、
新聞がなくなるであろうのも、むべなるかな」と言えるだろう。