日経新聞の10月12日付け朝刊一面コラム「春秋」に、こんな素敵なコラムを見つけたので 今回のブログで一部加筆訂正の上で引用して紹介する。
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“今日は世界史を変えた日である。1492年の10月12日、大西洋を渡った「コロンブス」は 陸地を見つけた。「黄金の国;日本はすぐそこだ」と思い込み、島を「サン・サルバドル(聖救 世主)」と名付けた。「新大陸到達」を機に欧州との新しい航路が開け、世界は様変わり。 | |||
冒険家は企業家でもあった。航海事業に投資をした「スペイン~イサベル女王」とは 「サンタ ・フェ契約」を交わしている。こんな内容である。 「見つけた大陸や島で『総督』になれる。交易で手に入れた金銀や宝石・香料などの10%を 無税でもらえる」という内容だ。契約を通じ投資家と企業家が利益を分け合う。この仕組みは 時代を経て、いまの株式会社につながっていく。 | |||
今年のノーベル経済学賞は「契約理論」を確立した米国の2人の教授に決まった。投資家 である株主と経営者がどんな契約をすれば、会社組織がうまく回るかを研究した。面白い のは「契約が万能ではないと分かった」ことだ。すべてを具体的に決めておくのは難しい。 「想定外」は起きる。「そのとき、誰が対応するか」が重要だそうだ。 | |||
コロンブスは想定外に苦しんだ。住民との争いや熱病の流行で植民地経営に失敗する。 契約と違って、行政権を奪われ失意の中で没する。 他方で 東京オリンピックの「契約」はどうか。総費用が3兆円超にまでも膨らんで、計画を 見直したい。だが、「国際公約とどう折り合いをつける」のか・・・。「誰が収める」のか・・・。 へたをすれば「歴史に残る研究例」になるのかもしれない。” |