食べられるのに廃棄されてしまう「食品ロス」の削減を呼びかける運動が全国の自治体に 広がっている。特に宴会中に食べる時間の確保を求める「残さず食べよう!3010運動」 が気軽に取り組めることから普及している。国内の食品ロスの総計は、年600万トン超に 上る(年間;500~800万トン)とされ、条例で住民に努力義務を課した自治体もある。
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「お酌に回る前に席に着き、ゆっくりお召し上がりください」。埼玉県狭山市 職員らが開く 会食では乾杯後、司会がこう呼びかけ 食事を食べきるように促す。終了前にも「そろそろ 中締めですが、皆様もう一度席にお戻りください。料理がまだ残っています」と案内する。 宴会の開始後30分と終了前10分を「食べる時間」と設定する点から「3010(サンマル・ イチマル)運動」と呼ばれる。
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農林水産省の2013年の推計では、食べられるのに捨てられる「食品ロス」は年約632 万トンで、世界全体の食料援助量の約2倍にも達する。 |
内訳は飲食店など事業系が約330万トン、家庭ごみが約302万トンと ほぼ半々である。 国は2012年10月に、「食品ロス削減関係省庁等連絡会議」を設置し、過剰在庫などの 商慣習の見直しや、食べ残し削減、家庭での食品廃棄の削減などに取り組んでいる。 |
「もったいないの精神」を世界中に広げる切掛けを作った国なのに、今では 「歌を忘れた カナリヤ」になってしまったのだろうか。「食品ロス大国;日本」の汚名を返上するためには 社会的な雰囲気作りがまず必要ではないだろうか。 |
「食品ロス」を削減する運動が各地の自治体などで広がっていることを先日の日経新聞が 上記のように伝えていた。例えば埼玉県狭山市であるが、宴会が始まった30分間と終了 間際の10分間を「料理を食べきる時間」として、「食べ残しを減ら工夫」を提案している。 名付けて「30・10運動」だという。元々は、長野県松本市が始めた運動であるが、同様の 動きが各地に波及しているのは喜ばしい限りである。だが、民間の宴会を見る限り、こうし た工夫はなかなか見当たらないようである。 |
一般に、「男性は見栄っ張り」だから、残った料理を持ち帰るような「容器」を求めることは なかなか恥ずかしいものである。だが、食べられるために用意をされた食材をあたらゴミ にする方が遙かに恥ずかしい筈である。 |
「見栄」といえば、皿数を競うような宣伝にも 問題があるのではないかな。「食べきれない ような料理を何皿も並べる総花式」はこの際改めて 「一点豪華主義」にすれば、食べ残し も少なくなり、且つ料金も安くなるのは道理であろう。 |
「余計な料理は要らない、物足りないくらいでいい…」という注文の結果、5千円の予算が 3千円で済めばいいのではなかろうか。 |
その点、「挨拶は短く、宴会は長く!」という小生が掲げている「モットー」はなかなか優れ ものであると自画自賛する次第である。「挨拶や祝辞などは極力減らして、その分食べる 時間を増やせば食品ロスは減る」ことは自明なのである。 |