かつての不況時;『学校は出たけれど…』ではないが、長生きはしたけれど…。 そんな時代が到来しつつあるような昨今である。60歳以上の高齢者は、個人 金融資産(1741兆円)の6割強を保有しているが、富裕層と極貧層とに 二分 されている。最近は、「老妻が老夫を殺す(その逆もある)…」といった痛ましい ニュースが多い。主因は「老老介護」による精神的、かつ体力的な疲れだろう。
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今の日本は平均寿命が男性;80.50歳、女性が86.83歳と世界有数の長寿 国(世界一)である。ちなみに、明治の初めの平均寿命は40歳ちょっとだった。 まさに、織田信長ではないが『人生50年』の時代であった。だが 長生きは新た な問題を浮上させる。 |
平均寿命が40~50歳では、『姉(ねえ)やは15で嫁に行き』と唄われたように 急がなければ間に合わない。何が…?。嫁と姑の関係はせいぜい15~20年 であり、現在のような「嫁と姑の確執が発生することはなかった」と思われる。 |
去る1965(昭和40)年に『国民皆保険制度』がスタートした当初、65歳以上 の高齢者は僅か500万人であり、平均寿命は67歳だった。公的年金は支給 が始まると、数年以内に殆んどの人が亡くなる、それを前提にしていた。だが、 現状はみんな「長生き(=死なない)」ではないか。
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65歳以上の高齢者は3000万人を突破、社会保障給付費は年間15兆円で 国民医療費は、40兆円を超えているのだ。長生きが財政を圧迫するのか? いや、小生はそう決めつけたくはないが、問題なのは「健康寿命が平均寿命 よりも10年近く短いこと」である。これは対策が是非とも必要だろう。 |