アルバイト
 誘われるがまま、イオン入り口でゴジラの着ぐるみ、夕方、本屋の棚卸し(棚ごとに何冊売れたか、計算🧮)、長い休暇は山岳地帯の測量(崖に張り付いて、三角地点のポールを持つ)と忙しく肉体労働に従事していた。ゴジラは見るものだと痛感。バイト当日、ゴジラは男性トイレに行けないので水分を控える。着ぐるみにミニ扇風機など無い時代ゆえ、タオルを首周りと頭に乗せてお客さん(全員、幼児)を迎える。さながらサウナ2時間⌛️。

 元気のいい子が集団で抱き付いてくるが、倒されてはいけない。ゴジラ(私)は無敵、子供の夢を守る。入り口から助走付けて蹴られても、薄い生地の部分を見つけてグー✊で殴られても(親の見てない角度で適度に反撃、稀に真剣、反撃)ギャオ〜と応える仕事だ。イオンの日(20日と30日は5%オフ、フッフ♪)には、汗ばむ「爪」でチラシも撒いていた。

 当時も「高収入バイト」と銘打つ詐欺は跋扈(ばっこ=そこら中に見られること)していた。セル画の背景を塗って貴方も大金持ちと言う惹句(じゃっく=誘い文句)広告に、美術学科の友人が乗り、🎨セットを10万円で購入。私も「アシスタント」として、「アニメの下絵」と称する画材を金の卵と信じ、海だの、ビルの背景を夏休み中、塗った。📮に投函、返事も送金も音沙汰無い。おそらくオレオレ詐欺のお爺様お婆様も同様だろうが、「忙しいのかな、次のセル画準備に手間取ってるんだ」と自らを説得。秋になって我々は東京の方向に咆哮した(掛詞)。