昨日、株式譲渡制限規定は大半の会社にあるようなことを書いたのであるが、実は、中小企業でも歴史のある会社だと株式譲渡制限規定がない会社があるという話を耳にすることがある。うちの顧問の税理士の先生もそのような話をしていた。


 月刊登記情報第542号(2007年1月号)P59の司法書士彦坂治先生のコラムによれば、「昭和25年に商法の改正があり、株式の譲渡を制限することができなくなったため、株式の譲渡制限規定の登記は、職権で抹消されたという。譲渡制限禁止の状態は昭和41年の商法改正で再び株式の譲渡制限が復活するまで続いた・・・」とある。


 つまり、昭和25年以前から存在する会社では当初は株式譲渡制限規定があったものの、商法改正により職権抹消されている可能性がある。あるいは昭和25年から昭和41年の改正前までに設立された会社は、後日株式の譲渡制限規定を設定しなかった場合には、現在、株式の譲渡制限規定がないということになるのである。


 従来、小会社(簡単にいえば、資本金が1億円以下の会社で、かつ期末の負債が200億円未満の会社。つまり大半の会社)の監査役は会計監査権限しかなかったのであるが、株式の譲渡制限規定がない株式会社は、会社法施行と同時に「公開会社」になり、「公開会社」の監査役の権限は会計監査権限だけではなく業務監査権限も当然に含まれることになるため、会計監査権限だけの能力担保で選任されていた従来の監査役は会社法施行と同時に任期満了退任になってしまうのである。もっとも、これではバンバン過料をとるのはまずいかなという配慮があったのか、会社法施行後6ヶ月以内に後任を選任して登記すればよいという運用になっていた。といっても、昨年10月末でその期間も終わっている。


 というわけで、昔の商法改正が、40年以上もの歳月を超えて影響しているのであった。