占いを受けると、絶対に避けて通れない言葉がある。

吉と凶という言葉じゃ。

あなたの運気は良いですね。

あなたの運気は悪いですね。

そんな言葉で表される。

良いですね、と言われれば嬉しいだろうが

悪いですね、と言われれば落ち込んだりもするじゃろう。

じゃが、ちと考えて欲しい。

吉と凶とは、何ぞやと。

良い悪いって、色々あるじゃろ。

占いで言う吉とは一体なんなのか。

結論から言うと

占いの吉とは安定、堅実、現状維持であることが多い。

占いの凶とは変化や動揺を意味することが多い。

何故かといえば、占いは権力者たちに好まれたシロモノじゃからじゃ。

その昔は、まじないで政治を行うことがあった。

亀の甲羅を焼いたりして、その日々から吉凶を判断する。

現代から見れば正気の沙汰ではないな。

それが「当たっていたのか」はともかくとして、重要なのは権力者たちが国を治めるために占いを使っておったということ。

権力者たちにとっての「吉」とは何か。

それは今の、自分の治世がそのまま続くことじゃ。

このまま安定し、繁栄し、一門がますます栄える。

これが彼らにとっての吉。

ならば逆に言うと、反乱や革命、改革は権力者たちが忌み嫌うところじゃ。

権力者が、自分の利益のために改革を行ったことは数あれど、
自分の権益はどうなっても良いから民衆のために改革した!なんて例は全くない。

逆に言えば、民衆にとっての吉は権力者と真逆じゃ。

例え波乱があろうとも、例え血を流すことになろうとも、圧政に立ち向かう。その先に「吉」を求める。

革命や反乱は、民衆にとっては吉のための行動じゃが、権力者にとっては凶以外の何者でもあるまい。

さて、ここから話を戻そう。

以上のことから、占いにおける吉とは、安定などの意味合いが強い。
東洋の占いで言えば「相生」、星占いで言えば「ソフトアスペクト」

確かに安定とは素晴らしいことじゃ。

しかし、その真逆の力、つまり破壊的なエネルギーも必要じゃ。

いかに「安定」している日常でも、本人にとっては苦痛なこともある。

やりたくもない仕事をやっていて、一緒に居たくない人と日々顔を合わせているが、とりあえず生きてはいける。

そんな日常は、安定しとるが苦痛じゃろう?

それから抜け出すには「破壊的」なエネルギーが必要じゃ。

パターン化した日常を崩し、壁を突破する力じゃ。

もちろん、波風は起こる。しかし、行かねば自分の身が危うい。

この力が眠っておるのが、東洋の占いでは「相克」、星占いで言えば「ハードアスペクト」じゃ。

もしお主の生まれが相生やソフトアスペクトが多ければ、それは順境の中でこそ力を発揮するということ。物事を維持し、変化は少なけれども、穏やかな生活を送りやすい。

逆に相克やハードアスペクトが多ければ、逆境の中でこそ才能を輝かせるということ。変化や改革をどんどん起こしていく。それだけのパワーを与えられとる。

人はポジティブだけではダメだし、ネガティブだけでもダメじゃ。

陽が昇れば月が沈み、月が昇れば日は沈む。

どうか吉や凶だけの意味合いに囚われず、自分はどんな環境で生きようか、そのために占いを受けてくれればと思うぞい。



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