介護事業所の経営者の皆様、こんにちは。
介護労務コンサルタント(社会保険労務士、介護福祉士)の松岡勇人です。
メンタル系を患わった職員の職場復帰
当ブログ2月25日号では「メンタル系の疾患の主な原因について」、また2月27日号では「ストレスチェックを活用して、メンタル系の疾患を未然に防ごう」と綴った。
メンタル系の疾患が発生した場合には、「介護事業所側はこの疾患を理由に処遇等で不利益等のないようにしなければならない」とも綴った。
通常、介護事業所だけでなく一般の会社でも、メンタル系の疾患が発生すると、就業規則の規定により、休職扱いにするハズだ。
メンタル系の疾患は、基本的に治療期間が長くなるので、休職してから6ヶ月ぐらいをメドにみなし退職規定で、辞めさせようとする傾向がある。
なぜ、辞めさせようとするのか?
その理由は色々とあると思われるが、事務的に大変な労力を使うからだ。
休職している期間は、定期的にメンタル系を患わった職員に連絡を取り、また本人だけなく、家族や担当医等とも連絡を取らなければならないのだ。
連絡を取ることで、休職期間中の病状、通院状況、生活状況等まで把握しなければならない。
またメンタル系の疾患は、個人差はあるが妄想で、介護事業所にとって根も葉もないことを言う者も出てくる。
介護事業所にとっては、この妄想で被るマイナスイメージを払拭するのにも労力を使うことになる(介護施設等のご利用者が認知症を患わって、妄想を言っても介護事業所のイメージダウンにはならない。なぜなら、皆が認知症を漠然とだが理解されているからだ)。
メンタル系の疾患は症状が重くなることにより、最悪、自殺未遂や自殺にまで発展しまうこともある。
つまり、メンタル系の疾患は、面倒な事務処理だけが増えるのだ!
介護事業所としては、一律、メンタル系の疾患の発生 ⇒ 休職 ⇒ みなし退職規定の流れで辞めてもらえれば、それで満足されるかもしれない。
しかし、メンタル系の疾患を患わった方の中には、適切な治療を継続的に受けた結果、職場に復帰できるまで回復される方も実際にはいる。
介護事業所としては、回復された方を最大限の配慮をして受け入れるべきである。
メンタル系の疾患を患わった職員が職場復帰してくる場合、介護事業所指定の医師に休職理由となったメンタル系の疾患について職場復帰に支障がないか診断してもらいましょう。
メンタル系の疾患を患った職員が「もう大丈夫!」といっても、職場復帰は医師の判断を必ず仰ぐ。
また、職場復帰の当初は、従前よりも負担や責任の軽い部署や業務から慣らし運転できるよう介護事業所としても最大限の配慮をしましょう。
今号もご覧いただき、ありがとうございました。次号もよろしくお願いいたします。