プラスメリット
私は今の世の中は、「プラスメリット」の時代だと思います。
どうしてこんなふうになったのか、よく判りませんが、与えるほうも与えられるほうも、1つの「メリット」では満足できなくなっているのではないでしょうか。
大学の学部・学科名は、従来と違って、どこも長くなっています。かつては、「国際コミュニティー学科」なぞという長い名はなかったと思います。
大学内に、「センター」と呼ばれるものが増えたのも近年の傾向ではないでしょうか。
同じ大学に、言語文化教育研究センターと教育開発センターがあり、部外者には(少なくとも私には)、どこがどう違うのか判らない、という例が多いようです。
大学側には立派な言い分があるのでしょうが、これも、あれも、と付加価値を付け過ぎのように思います。
私たちは、1つの「メリット」では勝負にならない世の中、満足できない世の中に生きています。
家電製品は、マイコンの登場後、大幅に機能アップしましたが、故障したら、素人の手には負えません。
「修理するより、買い換えたほうがお安いですよ」
こんなことを言われた経験は私ひとりではないでしょう。
親にすれば、子どもが将来、どんな学校に進学するか楽しみですが、昔のような名称は消えていますから、親子の会話がうまくいきません。
どういうわけか、子どもはメカに強いのです。親の経験知が幅を利かせる時代は終わりました。
メカに弱い大人は子どもに馬鹿にされます。
「プラスメリット」の時代の主役は若者です。
その若者は今、元気なのでしょうか。
コミュニティー学科で鍛えられ、社会を円滑にする術を身につけているでしょうか。
新しい時代にふさわしい経験知を蓄えてくれているのでしょうか。
私は、そうあってほしいと期待しているのですが、どうも最近の若者は「プラスメリット」のため、消化不良を起こしているのはないか、と心配なのです。