生産者への道
私は十年以上、町内のゴミ拾い、空き缶拾いをしています。
ボランティアの原義は義勇兵ですが、私にそんな気負いはありません。
休みの日、天気の日、気が向いたら、自転車で出かけます。
長年同じことを繰り返していると、面白いことに気づきます。
ゴミというのは、同じ種類のものが、ほぼ同じところに落ちているものなのです。
拾っているこちらが感心するほど、決まって同じものが同じところにあるのです。
タバコの吸い殻、空き缶、空き瓶が多いのは相変わらずですが、最近急に増えたのが、簡易おしぼり、花粉症の紙製マスクです。
この急増した簡易おしぼり、花粉症のマスクは、必ずといっていいほどコンビニの近くに落ちています。
誰が考案したか知りませんが、たしかに紙製のおしぼりやマスクは便利です。
でも、使うのに便利だからといって、ポイ捨てにも便利だと考えられては困ります。
消費天国の日本は、どこを向いても消費の王様ばかりですが、自分が住んでいる地域の環境美化の責任は誰が果たすのでしょうか。
自分が住んでいるところを、住みやすくするには、どうしたらいいのでしょうか。
地域環境の美化とか保全といった商品は、どこにも売っていません。
売っていないものは、買えません。買えなければ、創るしかないでしょう。
サラリーマンに、今日から農業をしてください、漁民になってください、とは申しませんが、できる範囲内で「生産者」になってみてはどうでしょうか。
花を育て、通行人の心を和ませることも、立派な「生産者」の仕事です。
同好の士を集め、様々な催しの輪を拡げていく人がいらっしゃれば、そのお方は間違いなく「生産者」です。
われわれは、そのつもりにさえなれば、いろいろなものを創る「生産者」になれるのです。
金遣いの荒い消費の王様より、生産に従事しているほうが「生き甲斐」を感じられると思います。
王様は、意外に退屈なものです。欲望や不満だけが募っていきます。
「生産者」は、堂々としていたらいいのです。歴史的に見ても、いままで世の中を支えてきたのは「生産者」なのですから!
周辺を見渡し、自分にできる「生産」を探してみてはどうでしょう。
「生産者」の喜びには、無限の広がり、深さがあると思います。