3人目はTOEIC 850点の同僚の話。


彼は仕事ができて、英語も自在に操れる優秀な人。私の目にはそう映っていました。しかし、英語を身に付けるコツを教えて欲しいとお願いしたところ、意外な返事が返ってきたのです。


   ボクは英語は苦手です。
   TOEICの点数だけはいいんですけど。


TOEICで高得点を取れるようになったら、英語をラクラク使いこなせるようになると、本人も思っていたそうです。


しかし、今は、


   TOEICの点数と英語が使えるかは別問題


そう確信するに至ったそうです。彼は、こう続けました。


   TOEICの点数をUPさせるコツなら分かりますよ。


それはそうでしょう。850点なんて、まぐれで取れる点数ではありません。試験では、文法も長文問題もほとんど解けなかったそうです。しかし、写真が載っている短いフレーズの聞き取り問題は全問正解した自信があるのだとか。


   TOEICによく出てくる表現は決まっているのです。
   問題集を解いて、それを覚えてしまえば良いのです。


それと、もうひとつ重要なテクニックがあるとのこと。


   試験本番では、音声が流れる前に写真を見ておくようにします。


これが肝心なのだとか。予め場面をインプットしておくと、何を言っているのかがグッと分かりやすくなるそうです。


しかし、本当にTOEIC 850点でも英語ができないなんてことがあり得るのでしょうか? にわかには信じられません。


彼は、短い英語のフレーズは理解できるが長い話になると分からなくなるとも言っていました。でもそれって、日常生活で困ることのない、十分な英語力があるってことではないのでしょうか?


おそらく、いざ高得点を取ってみると、彼が抱いていた英語ができる人のイメージ(ディラン&キャサリン みたいなイメージ? あれは違う?)にはなっていなくて、それで「英語は苦手」などという言葉が出てしまうのではないでしょうか。なんとも謙虚な方です。苦手だったら850点なんて、絶対取れないと思います。