去年の夏からLT80の調子が悪かった。一言で言うとエンジンがフケ無い。良い時でもパワーバンドまで上がるまで時間がかかる。


でもエンジンは大丈夫な気がしてました。
何故なら発進だけが調子悪くて回転が上がれば調子よかった。

2速3速発進よりも重たい様な発進。全く力が無く加速出来無い。
しばらく全開にしてたらトップスピードはそれなりに出て調子良い?減速して再度加速しようとしたら力ない…

だから遠心クラッチ、つまりCVTが駄目になったと仮説した。変速出来てない。バックシフトが出来無い。

仮説立てたがずっと放置プレイしてました。でも悪化しすぎてトラックに積み込みできないほどパワーダウンは流石にヤバい。登坂板の半分くらいしか登れません💦



バラしてチェックしてみたら案の定セカンダリークラッチが全シフトされた状態で固着してました。

プライマリークラッチも半分位シフトした状態で戻らない。


なのでクラッチ関係をフルオーバーホールしました。



まず、プライマリークラッチのウエイトローラーとシーブ。


全てがボロボロでローラーが倒れてシフトした状態に動いて止まってたで。


新品シーブ。プーリーとも言う。


オイルシールも必要です。


てゆーかオイルシールって必要あるの?


新品ウエイトローラー。


今回は加工しない。

シーブの外側も新品。


ちなみに、この真ん中にあるスプラインが駄目になるとクランクシャフト死ぬのでベルト交換のタイミングで交換したほうが良いです。
これが去年クランクシャフト死んだ原因です。 


ウエイトローラーの蓋?名前知らん。


と、思ったら紙に名前書いてた(笑)

取り替える必要ないかもしれないが、キー溝がナメる可能性があるので真ん中のキー溝とローラー当たり面の段付きをチェックして交換時期を見るのが良いかな。





今回悩んだセカンダリー。鉄板だから段付きは無かった。だけどカムの動きが悪く固着。

カム部分のバラし方が分からず悩んでました。試しにウォーターポンププライヤーで挟んだら取れた。

パーツリスト見たらパイプ状の物がハマってただけに見えたからもしかしたら?と思いました。


ピンを抜いてみる。


ピンの摩耗は手で触ると分からなかった。でも測定もしなかった。

無事にバラせた。


カム角のスライドする部分に段付きを確認。セカンダリーの新品用意したハズが見つからなくて再利用する事に。

ピンの新品あるのでとりあえず効果。


グリスたっぷり塗って組み付けました。

 
セカンダリーのベアリングがゴロゴロでした。


小さいベアリングはスナップリング外さないと取れないベアリング。
大きい方のベアリングを先に外してから隠れてるスナップリング外して小さい方のベアリング外す。
構造を知らずに叩いてると壊します。


かなりヤバい遠心クラッチ。


シュー部分が完全にオワターです(笑)

遠心クラッチのシューが当たるドラムはかなり摩耗。


これも新品に交換。


ドラムに機械式LSDと同じ原理のスリッパークラッチが付いてるLT80はクラッチプレートを滑らせて駆動系を守ってる

クラッチプレートが滑ってる痕跡を発見。子供の体重増加と、走りが過激になってきた証拠かも?

クラッチプレートは部品を用意してないので保留。実際まだまだ使えます。



んで、クラッチ整備後の走りですがマトモなマシーンです!絶好調!
こーゆーベルト駆動タイプの乗り物って不調の原因がエンジンなのかクラッチなのか分からない事が多くて、クラッチのせいで燃調が狂う事があります。
例えばアクセル開度と回転が全然合わなくなりカブってしまったり、シフト出来なくて高回転になり過ぎ焼き付いたり。

エンジンの調子はクラッチとエンジンが組み合わさって出てる現象であり、どちらか一方が悪いと感染したようにどっちも調子悪くなります。

スクーターやスノーモービル、大型ATV、UTVもベルト駆動。ベルト駆動を乗っててなんか調子が悪いと思う時はエンジンとクラッチの両方をチェックしたら良いと思います。