こんにちは、粟津サヤカですお茶

京都でオリジナルツアーのガイドをしています。

 

京都でレトロ?

 

不思議に思われる方もおられるかもしれません。

 

京都はお寺でしょ、神社でしょ、

千年の古都を着物で散策、湯葉のランチに抹茶スイーツ、

京町家を改装したゲストハウスで琴の音のBGMを聞きながら

苔むしたお庭に竹なんか見られたら・・・

京都っぽいっ神社!

 

いいですよね。

私も抹茶スイーツが好きで散策の途中でよく食べています。

特にマールブランシュの「茶の菓」という抹茶味のラングドシャが大好きで

京都のおみやげにおすすめしています。

京町家のゲストハウスも泊ってみたいです。

京町家に住んでる人って今あまりいませんから貴重な体験になると思います。

 

でも、それが京都っぽいとはあまり思いません。

 

京都は都でなくなった明治以降、

京都っぽさを発揮しはじめます。

都だった頃から積み重ねた独特の歴史や価値観をベースに

新しい町に生まれ変わったのかもしれないと私は思います。

 

そんな新しい町に生まれ変わった京都を見ることができるのが京都のレトロです。

そんな京都のレトロが時代の流れのなかで消えていく現実を見、

自分の目で見て記録に残そうとこのブログを始めました。

 

今日のレトロは、

そんな生まれ変わったばかりの明治の京都を代表する建造物、

琵琶湖疎水第一疎水第三トンネル入口です。

 

琵琶湖疎水が京都にとっていかに重要な存在であるかは

これまで散々、もううんざりするぐらい(笑)

書いてきましたが、

明治18年から23年という
まだまだ西洋の建築技術が日本でめずらしかった時代に
日本人が設計し、日本人の手で工事されたすごい建造物で
今も京都市中へ水を運び続けていることだけは書いておきます。
 
この第一疎水第三トンネル入口のある場所は
京都市山科区日ノ岡。
京津間の難所といわれた場所です。
トンネル掘削工事も大変だったことでしょう。
 
レンガの色がややダークがかってシブいですね。
ヨーロッパ中世の城郭建築を思わせる
トンネル上部のロンバルディア帯が力強く
プライド高き老王といった雰囲気です。
 
竣工当時からあるトンネルにはそれぞれ、
明治の元勲が書いた扁額が掲げられています。
ここは松方正義のもの。
 
過雨看松色
(かうしょうしょくをみる)
松方正義 筆
時雨が過ぎるといちだんと鮮やかな松の緑をみることができる(唐・盧綸の詩)
松方正義は薩摩出身で
明治24年に第一次松方内閣を組織し
第四代内閣総理大臣になった方。
 
幕末明治の動乱期に薩摩出身のわりには
大河ドラマなどではお見かけしないですよね。
だから生き残ったのだともいえますけど。
 
「過雨看松色」
とてもポジティブな言葉をいただきましたね。
 
そしてこのトンネルの目の前のこの橋、
日本初の鉄筋コンクリートの橋なのだそうです。
写真のように補強がしてあり、
今もちゃんと渡ることができます。
 
この橋で使われている鉄筋は
疎水工事で使われていたトロッコのレールを使ったのだそうです。
 
トンネルの東側にも石碑がありました。
日本最初の鉄筋コンクリート橋から撮影した
トンネルと石碑のツーショットです。
 
「本邦最初鉄筋混凝土橋(ほんぽうさいしょてっきんこんくりーときょう)」
と刻まれています。
どうしてこんな人影まばらな場所にあるのでしょう。
 
というのも、
昔はこの橋を渡ったところに船溜まりがあり、
(橋が写真左手に小さく映っています)
疎水を行き来する多くの舟で賑わっていたそうです。
現在は写真のように埋め立てられて
京都市上下水道局新山科浄水場導水トンネルの
取水池になっています。
 
日本最初の鉄筋コンクリート橋は
今は渡る人も少なく
トンネルと寄り添うように佇んでいます。
 
「今朝は寒いなあ」
「お互い年とったなあ」
などと昔を知っているものどうし
語り合っているように見えました。
 
第一疎水第三トンネル入口、
このあとしばらく山中を通過し
再び姿をあらわすときは第二疎水と合流することになります。
 
訪れたこの日は冬期の定期停水で
水は流れていませんでしたが
3月中旬には再び水で満たされます。
 
また、疎水沿いには桜がたくさん植えられていますので
花が咲く頃と紅葉の頃はレトロとの共演が素晴らしいのです。
ぜひお近くへお越しの際は立ち寄ってみてください。
 

今回ご紹介したは第一疎水第三トンネル入口は

コースに含まれていませんが、

私がご案内している

 

オフアワーズの

京都のんびりおさんぽ旅

(詳細はこちらをクリック!チケット販売サイトへリンクします)

 

では

他にもおもしろい場所をご案内しています。

 

  • 洛中レトロ御所南コース 2/17()
  • アカデミック北白川・疎水コース 2/10()

ご参加お待ちしております!

 

さてさて、

次はどこへ行こうかな~ランニング