こんにちは、粟津サヤカですダルマ

 

時代の流れとともに

消えゆくレトロの危機を目にし

今のうちに自分の目で見て

記録に残そうという

このブログ、

 

最近の連続降雨傘のため

自由に動けず

ひたすら撮りためたレトロたちの記事を

整理してアップしてきたのですが、

 

そろそろどっか行きたいぞランニング

となりまして、

明日、街歩きに出かけることになりましたスニーカー

 

どっか行こうとなったとき

私はまずメインターゲットを決めますダーツ

建物とか、博物館とか、

食べ物屋さんやカフェのこともあります。

そしてグーグルマップを見ながら

記憶の引き出しをゴソゴソ探って

 

あ、これ、あそこの近くかハッ

ここも行っておこう。

それじゃあルートはこうだな

 

と、こんな感じに。

 

とにかくこの時間が楽しいっ!!

 

未知の世界へ向かっていくワクワクが

たまりませんキラキラ

 

明日は体調万全にして臨みますグー

 

さて、今回のレトロは、

そんな予定をたてるの大好きな私が、

行程で偶然出会ったレトロです。

 

京都大学YMCA会館と地塩寮です。

大正2年、ヴォーリズ設計です。

以前、一度アップしたのですが、

誤って消してしまったという経緯があります。

以前見たという方も

前より情報が整理できていますので

ぜひご覧になってください。

 

ヴォーリズは大学YMCA会館を

いくつか設計しているそうですが

そのなかでも初期の作風で

現存最古のものとされています。

国の登録有形文化財です。

 

京都大学の名前を冠していますが

大学とは直接関係ありません。

京大のYMCA会員によって設立された

寮なのだそうです。

 

なので以前はクリスチャンであることが

入寮条件になっていたのですが

今は宗教、在籍大学を問わず

学生を受け入れているのだそうです。

 

こちらは同じ敷地内にある

京都府立医大YMCA橘井(きっせい)寮、

同じくヴォーリズの設計です。

庭ごしに敷地を共有しているので

それぞれの学生同士、

交流があるのだそうですよ。

 

寮の名前である「地塩」とは

キリストの言葉

「あなた方は地の塩である」

に由来するそうで、

世の中に必要不可欠な存在となるような

若者を育てようという意味があるのだそうです。

 

滋賀県にある

近江兄弟社(現ヴォーリズ学園)は

ヴォーリズに深い縁のある学校で有名ですが

その近江兄弟社の社員寮にも

同じ「地塩寮」の名がついています。

もちろんヴォーリズ設計の建物です。

 

屋根にはヴォーリズ煙突。

彼の作品によく見られるデザインです。

 

会館の正面に広がる塀です。

レンガが年月を感じさせます。

耐震補強も。

建物の赤い柱が印象的ですが

これも近年塗りなおされたのでしょう。

 

中から上手なピアノの音が聞こえていました。

寮に住む学生さんでしょうか。

学生が実際に居住空間としているのは

この建物の後ろの建物。

雰囲気の同じ建物があったような気がします。

(当時こちらが寮だと思っていたので

あまりよく見ていませんでしたアセアセ

 

寮費は光熱費込みで月24,000円!

ヴォーリズ建築に2万4千円かあキョロキョロ

学生の特権ですね。

 

ただし入寮に際しては

京大YMCAへ入会し

卒業後も会費を払ってその活動を支援すること

との規定があります。

卒業したら今度は後輩を支援する。

その歴史が長く受け継がれてきた寮、

ここの一員になるということの意味を

よく考えて応募してくださいと

書いてありました。

素敵な考え方ですね。

 

その歴史には有名な方も名を連ねておられます。

 

今年2017年、105歳でなくなった

聖路加国際病院院長の日野原重明さんも

京都帝大在学中をここで過ごしたおひとり。

 

戦中の治療経験から

大災害など緊急時の病院のあり方を考え、

ロビーを大きくつくって備えるなどの功績が

地下鉄サリン事件の際、

無制限の患者受け入れにつながり

多くの人命を救ったことで知られています。

 

まさに「地塩」、必要不可欠の存在に

なられたのだなと感心するとともに

この寮が人を育ててきた歴史を

思わずにはおれません。

 

ここから歩いてすぐのところにある

京都大学には

多くの歴史的建造物がたくさん保存されています。

それらを見にいくために歩いていたとき

ここを発見しました。

 

写真だけ見てその存在は知っていましたが

目的地ではなかったわけです。

なので、

この建物が視界に飛び込んできたときは

驚きました。

特に前知識もなかったので

純粋に建物そのものの魅力に衝撃を受けました。

 

予定を立てて

予め知識を持っていて見るのとは違います。

どちらがいいのかわかりませんが

街歩きには

その時々、

自分の感性だけで惹かれる出会い

というのがあります。

 

あれは何だったんだろう。

 

それがきっかけになって

ネットで、本で、調べる。

そこから世界が広がっていく。

 

私はそれこそが街歩きの

醍醐味ではないかと思っています。

 

さて、次はどこで「それ」に遭遇できるのか。

楽しみですランニング