こんにちは、粟津サヤカです傘

 

雨が続きますね。

台風も近づいています。

おひさまが見えないと

なんとなく気持ちが沈みますね。

 

でも、雨も悪いことばかりじゃないと思います。

雨が止んだら

家の屋根やアスファルトの道が

とてもきれいになっているのに

気づきます。

空気もです。

ホコリやガスが洗い流されて

街がきれいになるんですよね。

 

外へ出られない日は

撮りためた写真や

もらってきた資料をまとめるなど

やれることはいくらでもあります。

 

気長に晴れを待ちたいと思います。

 

さて、消えゆくレトロを

自分の目で見て

記録に残すこのブログ、

今回のレトロは、

 

京都御幸町(ごこまち)教会です十字架

歴史を感じますね。

私、教会建築、大好きなんですよ。

いろいろ見て歩いてますが

ここって独特な威厳を感じます。

 

教会建築の何が好きって

私の場合、

十字架とか

マリア様像とか、

ステンドグラスが

とてもロマンチックで

乙女ゴコロをくすぐる要素が

いっぱいちりばめられているからなんです。

 

でもここはひと味違います。

その違いと良さをお伝えできればと思います。

 

京都御幸町教会は

大正2(1913)年に建てられました。

設計はW.M.ヴォーリズ。

ヴォーリズの教会建築は数多くありますが

こちらはそのなかでも初期のもの、

かつ、

竣工当時の姿を今もとどめているものとしては

唯一のものといわれています。

京都市の登録有形文化財です。

 

大きな尖塔アーチ窓が印象的。

和風の格子窓は

周囲の景観に配慮したもの。

竣工当時は

まだまだキリスト教への抵抗が残っていた京都。

町の人々を刺激しないように

十字架やバラ窓を配していないのは

そのためだそうです。

 

でも、わかる人にはわかるように、

アーチに白い石を3つはめ込んで

それらを結んで十字架を

暗に示していたそうですよ。

 

明治になって

キリスト教の禁教が緩んできた

明治31年、

アメリカ南メソジスト教会神戸教区が

京都講義所を設立したのが起源とされています。

 

260年間も禁じられていたキリスト教、

しかも、仏教の総本山が集まる京都で、

当時は大変な苦労があったでしょうね。

 

日曜の礼拝へ参加させていただきました。

正面に講壇、

木の椅子と赤いじゅうたん、

ごくシンプルな印象。

十字架やマリア像など

いわゆる「祭壇」らしきものは

見えません。

 

こちら後方の入り口側です。

さきほどの大きな格子窓が見えますね。

二階もあります。

入口扉の上に揮毫があります。

日本のキリスト教会独特のものですね。

 

すべての椅子を埋め尽くすほどの

多くの参列者が来られていました。

牧師さまに訪ねたところ、

遠方から来られている方が

多いのだそうです。

年齢層はやや高めです。

長く親しまれてきた歴史ゆえなのでしょう。

 

入場時に名前と連絡先を書いたのですが、

礼拝の最後に

はじめて来られた方として

紹介されました。

たくさんの方がいらっしゃったので

少し恥ずかしかったですが、

あたたかい拍手をいただけて

うれしかったです。

 

礼拝後は

みなさんで昼食を召し上がるのだとか。

楽しそうに準備されている姿が

印象的でした。

 

上の写真右側の格子状の間仕切りは

お店のシャッターのように

上へガラガラっとあげて使われていました。

礼拝堂との一体化を目的に

このように扉を隠せるように造られていて

教会建築として非情に珍しいのだそうです。

 

設計者のヴォーリズは

依頼主の意向に沿って

設計することで有名なのですが、

ここに彼らしい工夫が見てとれますね。

 

屋根が素晴らしいですね。

板張りの屋根!

それをささえるキングポストトラス!

圧巻です。

 

照明も当時のものでしょうね。

シンプルですっきりしたデザイン。

 

外から見えてた尖塔アーチの格子窓です。

ちゃんと開きますよ。

二段ずつ区切ってあり、

真ん中に横軸があり

外側へくるっとまわるみたいです。

 

講壇です。

後ろへぼこっと凹んでますね。

向かって左手の小窓が見えてますが、

あの辺りに牧師様の控え席があります。

讃美歌を歌ったり、

聖書を読んだりするとき、

牧師様はそこへ控えておられます。

牧師様の控え席があるのって

めずらしいんだそうです。

 

講壇前の弧を描く仕切り、

これを「恵みの座」というそうです。

体の不自由な方が聖餐(せいさん)式のとき、

膝まづくのを支えるためのものだったそうですが、

礼拝では聖餐式がありませんでしたし、

今は使われていないようです。

 

聖餐式とは・・・

イエス=キリスト最後の晩餐でパンとぶどう酒を弟子たちに与え「パンは私のからだであり、杯は私の血による契約である」と言った言葉を記念して、パンとぶどう酒を会衆に分けるキリスト教の儀式。主の晩餐。<コトバンクより引用>

 

こちらの教会ゆかりの方として

有名なのが、

今年105歳でなくなった日野原重明さんです。

聖路加国際病院の名誉院長だった方。

戦中のけが人治療の経験を活かして

病院の緊急応急処置の場としての重要性を説き、

地下鉄サリン事件の際、

けが人を無制限に受け入れ

人命救助に尽力した方です。

 

まだ三高(京都大学の前身)の学生だった頃、

こちらの教会で聖歌隊の指揮をされていたとか。

お茶お茶お茶

礼拝の運営や

その後の昼食会、

またイベントの運営などを

信徒の方たちみなさんで

楽しんで行っておられ

わきあいあい、

とても雰囲気のいい教会でした。

 

たくさんの人が集い、

祈ってきた歴史を

ひしひしと感じる教会。

シンプルだからこそ際立つ

人々の真の信仰心を

感じることができました。

 

さて、次はどこへ行こうかな~ランニング