ユノちゃんの節回しを何度も聴きながらメロディを覚えるなかで思ったのは、やっぱりユノちゃんの音感やリズムの取り方がとっても素敵だ、ということでした。
イントロとAメロはなんとリズム楽器無しのギターのみで、ゆったりとしたスタートです。
この時点で、ユノちゃん自身が「あんまりこういうのは歌ったことなかった」と言っていたことがよく分かりますね。
雰囲気に合わせるため、ユノちゃん自身も細かいビートや多少のズレは気にせず、各小節の頭(1拍目)だけを頼りに歌っているようです。
「よくもまあ、このテキトウ感を恐れげもなく出せるよなぁ…」が、わたくしの第一印象です。
次のBメロに危うく重なりそうになるほどまったり感のあるAメロが終わると、Bメロではギターが「チャカチャ…」と、ちょっとだけ細かい刻みを出してきます。
その「ちょっとずつ裏拍を感じてみようか」のギターと合わせるように、ユノちゃんが少しリズムに乗ってきます。
少しと言っても、あえて書くならばこのくらい細かい裏打ちのリズムで歌っていて…
この言い回しがしっかり身体に入った状態で、2ビートの気だるさを見せてくるユノちゃん…ステキです。
恐らくラップができて歌も歌える人は、こういう気だるさを加減して出すのが上手です。
(例えばチャニョル君、テヨン君、ジェヒョン君、マーク君などなど)
そしてサビの2パターンでは、最近流行りの「誰の仕業でもないのになぜか全体的にハネているように聴こえる」ディスコ系サウンドがやってきます。
次男にカラオケを聴いてもらいながら、一緒に分析してみました。
次男「ドラムとパーカッションとキーボードは人間じゃなくて打ち込みだね。アクセントをつけて、裏をほんのわずかだけ(人間には無理なレベルで)遅らせていると思う。で、それを聴きながら人間がギターを弾くと、こうなるんじゃない?」
エ「人間がやると明らさまにハネちゃってお祭りみたいになるか、ハネられず重くなるかだもんね」
次男「人には難しいと思う」
人間であるギターとユノちゃんは、その微妙なハネ感のある造られたグルーブに乗って、自由に表現しているということになります。
デジタルとアナログのコラボですね。
さて2番にうつり、またAメロから始まるわけですが、ここでは1番とはメロディも歌い方もまったく違うものに変わっています。
ユノちゃんは、自分のフレーズの歌い出しを、ギターのフレーズの歌い出しとピッタリ合わせて遊んでいるのです。
「え…これって誰のアイデア?めっちゃ面白い…その場でセッションしてるみたい…」
…まさか本当に一緒にレコーディングしたのか?と疑いたくなるくらい、突然始まったリズム遊びに、ワクワクしてしまいました。
しかし、ギターは部分的に録音したものをループ再生させている可能性がありますので、ずっと繰り返しているギターのメロディを聴いているうちに、ユノちゃんがふと遊びたくなり、やってみたらいい感じだったので採用、というのが真相に近い気がしました。
それから、大サビ前のブリッジ部分は、この曲を歌う中では最も難易度が高いと感じました。
掴みどころのないタイミングでふわ〜っとインしてくるフレーズは、何回も聴いて身体に入れるしかなかったです。
ユノちゃん…
ダンスではあんなに、各所の筋肉をコントロールして細かいビートをきっちり視覚化できるエグさを持っているのに、ここまでルーズにもなれるなんて…ほんとに謎な能力…フェイクもセンスがあって上手だし……うーん……一体どういう勉強をすればああなれるのか……
………と、長い考察タイムに突入してしまいそうになりましたので、この辺りで終了しようと思います。