「歳だから」は関係ない

——親を支え続けた人生と、壊れていく心の話

「もう歳だから仕方ない」
体力が落ちた理由を、親はそう言う。

だが、それは本質ではない。

衰えの原因は年齢ではなく、動かなくなったこと。
そして、変わらない思考と、変わらない生活だ。

これは高齢者だけの話じゃない。
若い人でも、同じ条件が揃えば、同じように崩れていく。


親は、少しずつ動かなくなった

週に3回仕事をしていた親が、
ある時から急に休むようになった。
家にいる時間が増える
動きたくなくなる
たまに仕事が入ると「疲れた」「しんどい」

怠けているわけじゃない。
動かない期間が続き、体力の貯金が減っただけだ。

動かない
体力が落ちる
少し動くだけで疲れる
さらに動かなくなる

フレイルは、こうして静かに進む。


「歳だから」という言葉が、すべてを止める

継父も母も、似たような思考だった。
無理しない
しんどいなら休む
歳だから仕方ない

この言葉は便利だ。
だが一度使うと、改善する選択肢が消える。

結果、二人とも同じように体力を落としていった。


そのすぐそばで、支える側が黙っていた

親の身近で、
ずっとサポートし続けてきた人間がいる。
黙って金銭を助ける
黙って愚痴を聞く
黙って我慢する

親の前で
「疲れた」「しんどい」
そう言ったことは、一度もない。

言っても状況は変わらない。
自分が倒れたら、家が回らない。
だから黙るしかなかった。


常に親のことを気にして生きてきた

気づけば、人生の中心に親がいた。
今日、何かあったんじゃないか
お金は足りているか
機嫌はどうか

自分の予定を立てても、
心は完全に自由にならない。

これは優しさではない。
役割を背負わされた結果だ。


他の家庭と何が違うのか

多くの家庭の支援は、一時的だ。
病気のとき
困ったとき
立て直すまで

だがここでは違う。

👉 何十年も「支援する側」が固定されたまま
生活水準は下げない
考え方も変えない
でも支援は当然

これは親孝行ではない。
終わりのない消耗だ。


支える側の心は、静かに壊れていく

怒りでも、悲しみでもない。
無感情
諦め
どうでもよくなる感覚

これが、いちばん深いダメージ。

親の「しんどい」は許される。
支える側の「しんどい」は許されない。

この歪んだ構造が、人を壊す。


よそは、さっさと親から離れる

周りを見ると、そう感じる。

だが、それは冷たいからじゃない。
親が親の責任を持つ
子は子の人生を生きる

👉 役割が正常だから、距離を取れる

離れられなかったのは、
弱かったからでも、情が深すぎたからでもない。

背負わされていただけだ。


「消えたい」と思うほど、追い込まれる前に

親の側から消えてしまいたい。
そう思うほど、心が限界に近づくことがある。

でも本当に必要なのは、
「消えること」ではない。

👉 役割から降りること
👉 責任の線を引くこと

金銭、感情、生活。
全部を背負わなくていい。


まとめ

しんどいのは、
親だからでも、年齢の問題でもない。

「終わりのない支援」を、
一人で背負わされてきたからだ。

距離を取ることは、冷たさじゃない。
自分の人生を守るための、必要な選択だ。

歳だから、は関係ない。
壊れるのは、年齢ではなく構造だ。



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