
数年前に近所の古本屋で偶然見つけた。
学生の頃の友人に村上春樹の大ファンがいた。当時、「ノルウェーの森」が大ヒットしていてその人の部屋にも赤いカバーと緑のカバーの本があった。
その頃を懐かしく思うと同時に、自分の幼さや不器用さが思い出されて恥ずかしくなった。
そして、好きだった人のことを思い出して切なくなった。
近頃では本棚にある「ノルウェーの森」の背表紙を見ただけでため息が出るようになった。そして、この年齢になってもこのような感情を抱く自分に驚いた。
何だか自分が過去の亡霊にとりつかれていて前進できないような気がした。
この本を処分してあの頃の自分とさよならすることに決めた。