夜明けの言葉 | DRIFTER

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~漂流者の日々徒然~

僕が今の仕事を始めてから一ヶ月が経とうとしている。


夕方から翌朝まで働く仕事なんて身体がおかしくなってしまうのでは?と最初は不安だらけだったがそれはどうやら杞憂に終わりそうだ。夜眠らなくても昼間に熟睡出来ているし体調も特に変わりない(どんどん痩せていく以外は)。いや、むしろ更に健康になった気がする。やはり僕は元々夜型人間だったのだろうか?以前の身体と細胞がどんどん組み変わって新しい人間に生まれ変わったような錯覚すら感じる。


ただ今度は逆に休前日など夜間に眠れなくて困っている。それだと休日の日中を殆ど寝て過ごすことになってしまうからである。だが休みのときだけ普通の生活に戻すというのはとても難しい。今のところは明け方に眠って昼近くには起きるようにしている。


家族が寝静まった家で独り静かに読書などをして過ごし、夜明けを迎える頃になると無性に書き物がしたくなる。恐らくそれが僕のフェイバレットタイムなのだろう。心地よい孤独感と澄み切った精神状態でテンションは適度に上がりつつも神経は冴え冴えとしているあの独特の時間帯。でも中々書くには至らない。誰もが深い眠りに落ちている時間にただ一人起きているという一種の罪悪感(もちろん被害妄想みたいなものだが)でキーを叩く音すら出すのも憚られるような気がするから。

そしてその時浮かんだ言葉たちは日の光を浴びると共に泡のように消えてしまう。

でもそれでよかったのかもしれない。だって深夜に書いたラブレターとかポエムって翌朝読み返したら耐え難い恥辱だっていうじゃない?多くの文人達はそのような自虐的行為を乗り越えて、自らのテンションを維持しつつ傑作をモノにしてきたのだろうけれど。

うん。

きっと彼らは「永遠の夜明け前」を生きているんだな。